山形県の温泉

蔵王温泉「かわらや旅館」(宿泊)

源泉名:川原屋源泉
泉質:酸性・含鉄・硫黄-アルミニウム-硫酸塩・塩化物泉(含硫化水素強酸性明ばん泉)
泉温:45.0度C pH:1.5 蒸発残留物計:3,006mg/kg (Al:251.2、Fe:67.9、H2S:13.4)
色:微青味透明  臭い:薄硫黄臭+明ばん臭  味:強酸味+渋味

「川原湯共同浴場」の隣にある中規模の温泉旅館です。鄙び旅館ではありません。ここは蔵王温泉では数少ない独自源泉宿の一つです。蔵王温泉の中では珍しい「あたたまりの湯」として昔から知られているらしいです。蔵王温泉の湯は一般的に湯冷めしやく、正直あまり暖まらないのです。

お風呂は階段を降りたところにあり、湯小屋全体が桧でできたなかなか見事なものです。釘は一本も使用していないということです。お風呂は4~5人が入れる長方形のもので、宿の規模のわりにはこじんまりとしたものです。浴槽の底がすのこ状になっており、その下から源泉が湧出しています。

お湯はとても肌触りの良いナントも言えぬほど心地の良いものです。適度のぬめり感と肌を優しく包み込むようなお湯の感触が素晴らしいです。まさに芳醇なヴィンテージワインのごときお湯です。強酸性の割にはピリピリしたところもなく、ややぬるめに感じられるほど私には適温です。お湯を口に含むと歯がぎしぎしします。浴槽の縁でぼおっと身体を休めていると、静かに静かにお湯が掛け流されていきます。間違いなく浴槽の下からお湯が湧き出ているようです。

それにしてもこの湯小屋の造りといい、浴槽の造りといい温泉を愛する者にとっては堪らないものがあります。特に内湯ファンにはこたえられないものです。今回は宿泊しましたが、ほとんど貸しきり状態をいいことに何度も何度も思う存分湯浸かりました。まさに至福の一浴です!もうからだが融けてなくなってもいい!透明感のある濃厚なこの湯に浸かれる喜びは何にも代え難いものがあります。

料理はあまり地のものを使用したものではないですが、まずまず合格といったところでしょうか。ただ布団がいただけません。何とマットレスに敷き布団カバーをつけただけの代物です。これでは小さい上寝心地が悪いことこの上ありません。スキー客は気にしないのかもしれませんが、温泉にゆったり浸かった後はふかふかの大き目の布団に寝転びたいものです。(2001/08/19/PM9:30)

(2007年の再訪)
源泉名:川原屋源泉
泉質:酸性・含鉄・硫黄-アルミニウム-硫酸塩・塩化物泉)
泉温:48.1度C pH:1.7 蒸発残留物計:4,060mg/kg (Mg:52.0,Fe:28.0,Al:172.0,H2S:10.1)
色:無色透明  臭い:みょうばん臭  味:強酸味

何年かぶりに「かわらや旅館」を再訪してみました。以前宿泊した時はあまりのお湯の素晴らしさに感動しまくりました。今回は日帰りで入浴での再訪です。館内は多少手直しされたような気もしますが、以前の記憶のままです。浴室も同じような感じで一安心です。

お湯は相変わらず浴槽の下のすのこの間からお湯が湧き出ています。しかし今回は何故かお湯がかなりぬるいです。以前のような濃厚なピリピリとくる感じはありません。この日は他の蔵王の旅館のお湯も全てお湯はぬるめでしたので、この時期は全体的に湯温が低いのでしょうか?

以前の記憶が強く残っていましたのでちょっと物足りなく感じました。でも足元自噴泉の素晴らしいお湯には間違いないわけで、随分贅沢な不満ですよね。(笑)(2007/05/01/PM3:30)

 

(2012年の再訪)

不幸な火事で以前何度も訪れた建物が焼失して以来初めての訪問になります。立派に再建できたようでなによりです。現在は日帰り入浴をメインに営業を行なっているとのことですが、建物は非常に綺麗です。

浴室は以前とほとんど変わらない感じで一安心です。スノコ敷の浴槽も健在です。ただお湯は白濁気味でぬるめになっています。日帰り客が多いのかお湯もかなりぬるめです。以前のような熱めで新鮮味あふれるお湯とはちょっと感じが異なります。よく見ると浴槽内に水の出口が有り常時加水されているようです。お隣の共同浴場も常時加水でしたが、こちらも同じ仕様になってしまったようです。こちらの方が源泉温度は若干ぬるめでちょうどいい案配だったのですがねえ。いずれにせよ貴重な足元自噴のお湯ですので、このままずっと続いてほしいと思います。(2012/10/13/AM11:30)

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