宮城県の温泉

東鳴子温泉「高友旅館」

入浴料金:500円  営業時間:AM10:00-PM4:00

東鳴子温泉を代表する旅館の一つです。かなり鄙びつつあるように見えます。東鳴子温泉らしく湯治が主体となっているようです。高友旅館には「ひょうたん風呂」「ラムネ風呂」「黒湯」と三つの異なる源泉を持つ風呂があります。日中にでそれぞれの湯船の湯の入れ替えのため、3つとも一遍に入るのは結構難しいです。


(ひょうたん風呂)
源泉名:玉の湯
泉質:含硫黄-ナトリウム-炭酸水素塩泉
泉温:51.0度C pH:6.5 成分総計:1,145.2mg/kg
色:薄濁黄色  臭い:弱硫黄臭  味:弱硫黄味

「ひょうたん風呂」はその名の通りひょうたん形をした湯船があります。あまり大きくなく4~5人も入ればいっぱいになります。泉質は私が鳴子に子供のときから抱いていたイメージ通りのお湯で、濁った土臭い硫黄臭のどろりとしたお湯です。子供の頃この泉質にはよく入った記憶があります。湯温はややぬるめで長湯できます。白と黒の湯の華がしっかり浮かんでいます。身体に小さな気泡が着くのも気持ちがいいです。人によっては嫌いな湯かもしれませんが、私にはとても懐かしいお湯でした。(1998/05/04/AM10:30)


(ラムネ風呂)<混浴>
源泉名:玉の湯
泉質:含硫黄-ナトリウム-炭酸水素塩泉(硫化水素型)<重曹硫化水素泉>
泉温:51.0度C pH:6.5 成分総計:1,145.2mg/kg (H2S:0.2)
色:黄濁色  臭い:薄硫黄臭  味:薄硫黄味

高友旅館の3つの源泉の内の一つです。浴室はここもあまり広くなく、お風呂は5~6人が入れる広さです。黒っぽく見える濁ったお湯が溢れています。湯は浸かっていると小さな気泡がたくさん付いてきて、ぬめり感が出てきます。段々ぬるぬるしてきます。いいぞ、この感じ。馬場温泉共同湯ほど気泡のつきは良くありません。でもこの感触は心地よいです。

50度を超す湧出温度でこれだけ気泡が付くのは珍しい部類にはいると思います。やはり源泉がすぐ側に浴槽があるせいなのでしょうか。肌触りも申し分なく硫黄臭に加えて石油臭いような臭いが嫌でなければ、多くの人に好まれる湯だと思います。ここも脱衣所から混浴モードなので、お湯に入ってしまうまでは女性にはちと厳しいかもしれません。右の写真はお湯を入れ替えたばかりで、お湯が泡立っている珍しい写真です。


(黒湯)<混浴>
源泉名:幸の湯
泉質:含硫黄-炭酸水素塩泉<含重曹-硫黄泉>
泉温:59.2度C pH:7.1 成分総計:mg/kg (2,568.1)
色:笹濁り  臭い:薄硫黄臭+アブラ臭  味:薄硫黄味

東鳴子温泉を代表する「黒湯」のある大浴場です。浴槽は2つあり、ひょうたん形の湯船とプールのような長方形の湯船があります。ひょうたん形は10人程度が入れる広さで、「ひょうたん湯」に引かれている湯と似ている、笹濁りの田舎臭い湯が溢れています。湯はやや熱めです。いいなあ、この湯の肌触りと、この臭い。

もう一つの長方形の湯船は少し高い所にあり12~13人が入れる広さです。ここに無色透明の湯が勢いよく注がれています。とにかくこの浴槽、よく見ると驚きます。湯の成分が10cm以上も浴槽の縁全体に堆積しており、成分の濃さを自慢しているようです。またパイプが破れたところにも湯の成分が20cmぐらいの大きなおにぎりのように盛り上がっており、その割れ目から間欠泉のように湯がゴボゴボと噴き出ています。すごい光景です!ただ、この浴槽に張られている湯そのもは、ほとんど無色透明で、黒と白の大きな湯の花がたくさんあるものの”濃い”という感じの湯ではありません。明らかに2つの湯船に注がれている湯は別物です。(1998/12/30/AM11:30)

その後の調査によりますと、高友旅館には4つの源泉があり、お風呂も「もみじ風呂」「家族風呂」が他にあるそうです。情報提供:屋代@鳴子さん,
1(幸の湯)含有鉄泉:黒湯
2(玉の湯)炭酸泉:ひょうたん風呂、ラムネ風呂
3,(顕の湯)重曹泉:もみじ風呂(52年館という自炊棟にあり)
4,(鷲の湯)泉質:ナトリウム-炭酸水素塩泉(純重曹泉) 泉温:45.0度 ぬるいので混合して浴槽に入れている。
:家族風呂(湯量が少ないので混合) うーん、鳴子の温泉は奥が深いなあ。未公開の源泉が探せばたくさん出てきそうです。


(もみじ風呂)<混浴>
源泉名:顯の湯
泉質:ナトリウム・カルシウム-炭酸水素塩泉
泉温:76度C pH:7.2 成分総計:2,081.4mg/kg(H2S:0.1)
色:無色透明  臭い:無臭  味:薄甘み

未入浴だった「もみじ風呂」に入ることができました。お風呂は2人が限界の小さなものです。無色透明の一見何の変哲のない湯が注がれています。入った感じもこれはという感じがしませんが、湯上がり後の発汗はかなりのものがありました。屋代@鳴子さんと一緒に入ったのですが、2人とも数分しか浸からなかったのですが汗ダクダクでした。湯の感じは栄泉にちょっと似ていると思いました。黒湯の浴室にあるプール状のお風呂と同じ源泉だそうです。


(家族風呂)<混浴>
源泉名:鷲の湯
泉質:ナトリウム-炭酸水素塩泉<純重曹泉>
泉温:45度C pH:6.5 成分総計:1,171.3mg/kg (H2S:0.2)
色:黒味透明  臭い:薄アブラ臭  味:薄アブラ味

ここも未入浴であったお風呂の一つです。かなり奥まったところにあり、普通ではなかなか発見できません。文字どおり高友旅館の家族がもっぱら使うお風呂のようです。お風呂は4人ぐらいが入れるものが2つに敷きられており手前が熱く奥がぬるくなっています。黒湯から緑色を取ったような湯で、アブラ臭もあります。黒湯よりはさらっとしていますが、ここも少し浸かっただけで汗が吹き出てきました。

右の写真は、黒湯の浴場に隣接した婦人専用風呂です。「顯の湯」と「玉の湯」の混合泉のようです。これで高友旅館のお風呂の全貌解明はできたと思われます。(1999/08/09/PM3:10)

一応高友旅館のお風呂と源泉の関係をおさらいすると以下の通りになります。
玉の湯源泉:(ラムネ風呂)(ひょうたん風呂)
幸の湯源泉:(黒湯)
顯の湯源泉:(もみじ風呂)(プール風呂)
鷲の湯源泉:(家族風呂)
顯の湯源泉+玉の湯源泉:(婦人専用風呂)

(2012年の再訪)

これまた超久しぶりの高友旅館です。自分のHPを見直してみると何度か訪れていたにも関わらず更新をサボっていたようです。それにしても何年ぶりの訪問かなあ?随分と懐かしい感じです。高友旅館は昔に比べればかなりメジャーな存在になりましたが、旅館の佇まいや雰囲気はまったく変わっていませんね。若い女性向けの雑誌にに掲載されたりするのがちょっと不思議です。

黒湯の浴室は以前とまったく同じ佇まいです。時間が止まっていたような感じでしょうか。ただプール風呂にお湯が張られていないのが悲しいです。お湯の成分のオブジェもありません。お湯は前回訪問の時と同じく、アブラ臭は弱めでお湯もぬるめです。私が最初に訪れた頃よりは確実にパンチ不足のお湯になっている印象です。

現在でもとても個性的なお湯で素晴らしいのですが、以前のお湯を知っている身としてはちょっぴり寂しいです。特にあの強烈だった独特の臭いが弱くなったのが残念でなりません。メジャーになったのでアブラ臭を抑えめにしているのかなあ・・・。(2012/02/24/PM5:00)

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