2006年09月20日更新)


19. 湯破隊風雲録(別府編)


別府温泉湯破の旅・柳澤隊長奮闘編(2000年6月)

熊谷@湯破隊(No.003)です。

1.プロローグ

湯破隊の柳澤隊長から緊急の呼び出しを受けてしまった。こっそり隊長に内緒で温泉に行ったのがばれたのだろうか。集合場所の蒲田の芒硝へ行くと分厚い資料をいきなり見せられた。

「クマガイ隊員、これが何か分かるかね?」

よくよく見ると別府温泉の詳細な資料であった。

「今度別府温泉を湯破しに行くことにした」
「最近クマガイ隊員は肘折・和歌山と我が湯破隊の活動に参加していない。あろうことか、私に内緒で西山・新湯、新潟の西方の湯などを勝手に湯破しているではないか。今回の別府湯破には必ず参加してもらわねばならない。何故なら書記係が必要だからだ」

この話を聞き一瞬ビビッてしまった。隊長のことなので湯破専用リムジンで日帰りで行くとと思ったからだ。東京から別府を車で日帰り入浴すれば確実に世界記録、ギネスブックものだ。不可能を可能にする男「柳澤隊長」ならやりかねないからだ。(汗)

「今回はクマガイ隊員のためにこれを用意しておいた」

なんと「羽田ー大分」の往復航空券であった。しかもファーストクラスではないか!さすが隊長だ。湯破に金の糸目は付けないのだ。というわけで柳澤隊長の書記係として別府温泉を湯破してきたので、ここに湯破記録をレポートする。

(注)このレポートの時代は現在のように別府温泉の共同浴場巡りなどはなく、共同浴場の情報や地図などもほとんどなかったことを付け加えておく。

2.湯破初日(その1)

くもり空の大分空港に降り立つ。何とも湯破日和だ。まずは早めの昼食をとることにし北浜のバスターミナル近くの「とよ常」に立ち寄る。ここで食事をすると無料で「料理の宿・雄飛」のお湯に浸かれるのだ。ファーストクラスで来た割にはナントモせこい。

別府温泉「料理の宿・雄飛」 「とよ常」で食事をすれば無料
泉質:食塩泉?
色:無色透明 臭い:微土臭さ 味:微微塩味

浴場はエレベーターで上がった6階にある。お風呂は内湯×2と露天×1。浴室の天井が低く本来ここは入浴施設用に造られたものではないようだ。お風呂は5〜6人が入れる広さのもと小ぶりのものが繋がっており、大きい方から小さい方へ湯が流れていくようになっている。お湯は無色透明のさっぱりしたお湯で、さらりとした感触だ。小さな赤い湯花が舞っている。露天は4〜5人が入れる広さだが、展望はほとんどきかない。こちらのお湯はややぬめり感があり内湯とは別源泉であるような印象を受けたが、たいした違いはない。まあ、無料で入浴できるので文句は付けられない。( 2000/06/23/PM0:00)

塚原温泉「塚原温泉」 400円
泉質:酸性明礬緑礬泉
色:薄緑味透明 臭い:薄硫黄臭+明礬臭? 味:強酸味+甘味+苦味

まずは、泉質の良さで評判の高い塚原温泉に行くことした。幹線道路からダートを暫く行った所にある。木造のなかなか雰囲気の良い湯小屋と休憩所が別棟である。お風呂は内湯×1、他に家族湯×3。一般用の浴室は10人程度が入れる広さの正方形の木造の浴槽だ。そこへお湯がこんこんと注いでいる。浴室の雰囲気、そして入浴している人々の雰囲気が何かとても良い。お湯は光の加減で緑色にも黄色にも見える。そろりそろりとお湯に浸かる。うーん、これは良い!お湯の感触が何とも言えず心地よい。

肌触りは滑らかで浸かっているほどにお湯の成分が身体の芯まで浸透してくるような感じだ。このお湯は濃厚だ。これほどの浴感はめったにあるものではない。飲泉するとこれまた凄い。強い酸味と甘味が同居し苦味と渋味も混じった濃厚なものだ。お湯も濃厚だが味も負けていない。源泉は3本あるらしいが現在は2本利用しているようだ。元湯と呼ばれる、硫黄臭が一番強い湯は家族湯の一つに引かれているようだ。浴槽を見せてもらったが、ヨダレものであった。残念ながら予約が入っており入湯はかなわなかったが機会があれば是非入りたいと思った。( 2000/06/23/PM2:00)

鉄輪温泉「熱の湯」 無料 AM6:30-PM9:00
泉質:ナトリウム-塩化物泉
色:薄白濁透明 臭い:薄金気臭 味:微出汁味

コンクリ造りのなかなか立派な共同浴場だ。外来者も無料で利用できるとは嬉しい限りだ。お風呂は内湯×1。タイル張りの12人程度が入れる浴槽。源泉はかなり熱く水道水が加えられており、そのためか小さな気泡がたくさん舞っており薄く白濁して見える。お湯は十分に入浴感はあり、まずまずの食塩泉だと思う。肌触りは特別なものはない。鉄分が含まれているらしく浴室のあちこちが赤くなっており、臭いも少し金気臭がある。地元の人たちが入れ替わり立ち代わり入浴しに来ていた。(2000/06/23/PM3:30)

鉄輪温泉「渋の湯」 無料 
源泉名:渋の湯
泉質:ナトリウム-塩化物泉(弱酸性低張性高温泉)
泉温:87.1度C 成分総計 4,402mg/kg (メタ珪酸 611)
色:無色透明 臭い:石鹸臭? 味:出汁味

市営のまだ新しい立派な共同浴場。ここも無料だ。お風呂は内湯×1。10人ぐらいが入れる奇麗なタイル張りの浴槽。お湯は無色透明の肌触りのとても良い湯だ。さらりとした中にもぐっとくるものがありなかなか良い。水が足されているのが残念だ。石鹸のような臭いがお湯からするのは不思議。浴後の発汗はかなりもので、なかなか侮れないしっかりしたお湯だと思った。( 2000/06/23/PM4:00)

鉄輪温泉「旅館 さくら家」 大人:500円 AM11:00-PM2:30
泉質:ナトリウム・塩化物泉
色:無色透明 臭い:無臭 味:薄出汁味

鉄輪温泉にある小規模な旅館だ。お風呂は内湯×1。2人が限界で1人で入りたいぐらいの大きさの浴槽がある。最初熱すぎてはいれなかったため断腸の思いで水を足し適温にした。お湯はさらりとした感触で、とりたてて特徴はないがすっきり感は残る。白い湯花もちらほら舞っている。小さいながらも好感の持てる湯小屋だ。お湯ががもう一つパンチに欠けているのが惜しい。湯上がり後に、女将さんにお茶をご馳走になった。その時聞いた話では元々「さくら屋」は塚原温泉にあった3軒の旅館の一つだったそうだ。(2000/06/23/PM4:30)

明礬温泉「鶴の湯」 無料
泉質:酸性硫黄泉?
色:無色透明 臭い:薄硫黄臭 味:硫黄味+酸味

有名だが、事前に知らなければたどり着けない霊園の奥にある野湯だ。脱衣所も一応きちんと管理されており、地元の人たちの間に根強いファンがいるようだ。源泉が湧き出して小さな小川のようになっており、浴槽は2つに分かれている。お湯は無色透明で硫黄臭があり、浸かっていると肌に刺激が伝わり、ちょっぴりぴりぴりする感じがする。濃いという感じの湯ではないが、まずまずの入浴感はある。浴槽が浅いので落ち着いてゆったり気分で入れないのが難点に思えた。( 2000/06/23/PM5:20)


(つづく)

3.湯破初日(その2)

神丘温泉「神丘温泉・泥湯」 大人:250円(泥湯込み)AM7:00-PM9:00
泉質:単純泉
色:無色透明 臭い:微硫黄臭 味:無味

外観からはかなりB級な雰囲気が漂う入浴施設だ。狭い廊下が脱衣所となっている。男湯と女湯は分かれているが脱衣所は一緒??お風呂は内湯(単純泉)×1と混浴の泥湯がある。男湯は5〜6人が入れる広さの正方形の浴槽。浴槽の周りが湯の成分でギザギザしている。お湯は無色透明ながら熱めなこともあり、ぴりりとしたものでとても入浴感はある。ぬめり感もあり結構ぬるぬるする。うーん、単純泉でこれだけの浴感があれば立派だ。浴後のすっきりさわやか感もなかなかのものだ。一方泥湯はぬるめの湯に秘蔵の泥が混ざったもので、まあこんなものかなという程度のものだ。ここは50円払って単純泉に入れば良いと思った。(2000/06/23/PM5:50)

神丘温泉「丘の湯」 大人:100円
泉質:単純泉?
色:無色透明 臭い:微硫黄臭 味:無味

「神丘温泉・泥湯」の隣にある共同浴場。5〜6人が入れる浴槽に無色透明のお湯が注がれている。加水されておりちょっとぬるめになっていた。お湯はあっさりした感触でさらりとしている。あまり特徴のあるお湯ではないが、気のせいかちょっぴりだけ硫黄臭が感知できたような気がした。また、少量の灰色の湯花も見かけられた。隣の「神丘温泉・泥湯」の単純泉ほどは良くはないようだ。(2000/06/23/PM6:10)

市の原温泉「市の原共同浴場」 大人:200円 AM5:30-PM10:00
源泉名:別府温泉日本地熱興業
泉質:ナトリウム-塩化物泉(弱アルカリ性低張性高温泉)
色:微白濁透明 臭い:無臭 味:無味

おかめの看板が目に付く木造の共同浴場だ。一見、共同浴場とは分からない造りだ。近くのコンビニで入浴券を購入する。お風呂は内湯×1。4人が限度の小さな浴槽。浴槽の周辺があちこち赤褐色に湯の成分で染まっている。お湯は普通の肌触りで、これはという特徴はない。入浴感はそこそこ感じらる。地元の若いお兄さん達も入りに来ており地元民のお風呂として結構利用されているようだ。ここの雰囲気は中々好きだ。お湯に特徴はないが、地元の人たちに愛されている共同浴場はヨソ者が入ってもやはり心地の良いものだ。(2000/06/23/PM6:30)

鉄輪温泉「ひょうたん温泉」 大人:700円 AM8:00-PM9:00
泉質:ナトリウム-塩化物泉(弱酸性低張性高温泉)
泉温:100.4度C
色:無色透明 臭い:無臭 味:薄出汁味+微苦味

センター系の大規模な温泉施設だ。お風呂は内湯×1、露天×1、規模の大きな打たせ湯、砂湯がある。内湯は大きなもので20人は入れる広さだ。露天もかなり大きい。また打たせ湯は20本ぐらいが豪快に落ちてきており、かなり強い勢いで肩を打ってくれる。腰痛もちなので恥ずかしながら四つん這いになり腰を打たせてしまった。これがなかなか気持ちがいい!肝心のお湯だが、あまり特徴がなく浸かっていてもほとんど浴感を感じない。どうにも温泉に浸かっているという気がしない。飲泉すると薄塩味と微苦味があり温泉らしさはある。ここは打たせ湯ファンにのみお勧めする。(2000/06/23/PM7:00)

鉄輪温泉「元湯」基本的にジモ専(宿泊者は可)
泉質:食塩泉
色:無色透明 臭い:無臭 味:薄塩味

「渋の湯」の向かいにある共同浴場だ。基本的に地元民専用だが鉄輪温泉に宿泊していれば入浴OK。お風呂は内湯×1。7〜8人が入れるコンクリでできた無骨な造りの浴槽。お湯はぬめり感があり結構ぬるぬるする。鉄輪温泉では少数派の感触だ。加水されぬるめになっていたが、入浴感はとても良く肌触りもかなり良い。灰色の湯花もちらほら舞っており、なかなか心地の良いお湯だ。鉄輪温泉では上位にランクされるべきお湯だと思う。(2000/06/23/PM8:00)

鉄輪温泉「地獄原共同浴場」 
泉質:含硼酸食塩泉(緩和性低張性高温泉)
色:無色透明 臭い:何かの臭い? 味:薄出汁味

比較的最近リニューアルした感じの共同浴場だ。全体的に新しい感じがする。お風呂は内湯×1。6〜7人が入れる長方形の浴槽。無色透明の熱い源泉に水が足されており適温になっている。お湯は肌触りが滑らかで少しのぬめり感がありつるつる感もある。一見たいしたことのないようなお湯であるが浸かるほどに結構効いてくる。浴後のポカポカ感もかなりのものがある。( 2000/06/23/PM8:30)

鉄輪温泉「陽光荘別館」 陽光荘宿泊者は無料
源泉名:陽光荘源泉
泉質:ナトリウム-塩化物硫酸塩泉
色:無色透明 臭い:薄土臭さ 味:薄塩味

「陽光荘」の別館だ。「陽光荘」に宿泊するとこちらにも入浴できる。夜の9時ごろ行ったが、真っ暗で営業しているかどうか分からなかった。怪しげな人の動きを感知した家の人が出てきて運良く?入浴することができた。お風呂は内湯×2と露天×1。内湯は7〜8人が入れる岩風呂と4〜5人が入れるタイル張りのものがある。お湯は無色透明であっさり系のお湯だ。少しぬめり感があり肌触りは良い。微妙な臭いもあり温泉らしさはある。浴後のつるつる感はまあまあといったところか。(2000/06/23/PM9:00)

鉄輪温泉「陽光荘」宿泊
源泉名:陽光荘源泉
泉質:ナトリウム-塩化物硫酸塩泉
色:無色透明 臭い:薄土臭さ 味:薄塩味

かなり年季の入った木造旅館だ。貸間が主体のようだ。今回はここに宿泊した。お風呂は内湯×2と蒸湯×1。内湯のうち一つは水風呂のようなもので実質一つといって良いと思う。半円形のタイル張りのもので7〜8人が入れる広さ。源泉は別館と同じ。浴槽に浸かるとお湯がざざああと溢れ気持ちが良い。浴槽も深く入浴感はまあまあある。湯の感触は悪くない。もともと濃い湯ではないのでこれはこれで良いのかもしれない。湯破疲れを癒すにはもってこいのお湯で、しばしからだを湯に任せてまどろんだ。(2000/06/23/PM10:00)

(2日目につづく)

4.湯破二日目(その1)

人通りもまばらな鉄輪温泉街を何かに獲りつかれたように湯破している二人の男達がいた。時刻は朝の6時を過ぎたばかり。これから昨夜入り損ねた共同浴場を廻るのだ。


鉄輪温泉「すじ湯温泉」
泉質:食塩泉
色:微緑色透明 臭い:薄金気臭 味:薄塩味+金気味

やや古くなりつつある共同浴場。外観はコンクリ造りの平均的なものだ。8人ぐらいが入れる浴槽が一つある。朝早くに行ったが既に常連と思われるオヤヂさんたちが来ており大声で話をしていた。お湯はやや濁り気味で、とろみ感があり入浴感はある。少しの金気臭と金気味があり、浴槽のあちこちが赤くなっている。朝のお湯は多分、前の晩からあまり源泉を足していないため加水は最小限に押えられ適温になっているようだ。灰色の湯花も舞っている。鉄輪温泉でここはは好きな部類だ。(2000/06/24/AM6:20)


次に「上人湯」に向かうが通り掛かりのオヤジさんに、ここは朝は止めた方が良い。昨夜の残り湯で汚い。湯質にこだわるなら「ホテル大石」が良いと勧められる。深く考えもせず勧められた「ホテル大石」に足を運ぶ。


鉄輪温泉「ホテル大石」 大人:500円 AM7:00-PM5:00
泉質:硫酸塩泉
色:無色透明 臭い:無臭 味:微塩味

かなり大規模な温泉ホテルだが、お風呂周りは何故かオーナーの趣味丸出しのB級風情だ。入浴をお願いすると大きな木の札を渡される。これが通行証代わりになりホテル内に立ち入れる。黄色い線に沿って歩いていくと地下道に入る。地下道には子供たちが書いた絵がたくさん並べられている。お風呂は道路下の地下道を渡ったところにある。

日帰り入浴に開放されているのは露天と洞窟風呂のようだ。雑然といろいろな風呂が並んでいるが、洞窟風呂が何故か3つもある。お湯はぬめり感がかなりあり結構ぬるぬるする。鉄輪では一番のぬるぬるかもしれない。まあ、全国レベルではないが。湯量がとても多いので湯船はかなり広いが湯の鮮度は良い。あまりにも雑然としたまとまりのないレイアウトなので身の置き所に困ってしまう。ただ湯質は悪くないので立ち寄る価値はあるかもしれない。(2000/06/24/AM7:00)


「ホテル大石」を後にし、さらに鉄輪温泉を攻めようとする柳澤隊長。放っておくと2日目中も鉄輪温泉を廻りつづけかねない勢いだったので、

私「隊長、もう鉄輪温泉は10ヶ所も湯破しましたがアブラ臭のする温泉は1ヶ所もありませんでした。明礬温泉あたりを湯破してアブラ臭の温泉を探しましょう!」

隊長「ア、アブラ臭か!よし、さっそく明礬温泉に行こう!」

というわけでアブラ臭の殺し文句の効果が抜群で、目出度く2日目は明礬温泉を湯破することになった。


明礬温泉「地蔵泉」 無料&寸志
源泉名:地蔵泉
泉質:単純酸性硫黄泉
色:薄白濁 臭い:硫黄臭 味:酸味+渋味+苦味

比較的新しめの外観の共同浴場。浴室は入り口から下へ降りていくスタイル。お風呂は内湯×1。真四角で4人が入ればいっぱいなる広さの浴槽だ。木造で雰囲気はとても良い。薄白濁したお湯がいっぱいに張ってあり、そろりそろりと身を沈める。やや熱めのすっきりしたお湯できりりと身体が引き締まるようなお湯だ。久しぶりにこの手の泉質に浸かったので、とても素晴らしく感じてしまった。濃いお湯ではないが身体にびしびしと響いてくるような感じがする。硫黄臭も適当にあり、もう少しとろみ感があればもっと良いと思った。(2000/06/24/AM8:30)

明礬温泉「鶴寿泉」無料&寸志
源泉名:鶴寿泉
泉質:単純酸性泉
泉温:69.5度C 成分総計 732mg/kg
色:薄白濁 臭い:微硫黄臭 味:酸味

ここも奇麗に整備されている共同浴場。お風呂は内湯×1。4人が入れる木造の浴槽だ。洗い場は石造り。お湯は熱めでぴりりとくる感触だ。静かに身体を湯の中に沈めていくと何とも言えずいい気分になる。高原を吹きぬけるさわやかな風が吹き込んでくるせいかもしれない。ここも濃い湯ではないがきりりと身体が引き締まる良い湯だと思う。(2000/06/24/AM9:30)

明礬温泉「山田屋」大人:400円 AM8:00-PM8:00(土日は変則・要確認)
泉質:緑礬泉
色:微緑色透明 臭い:酸味臭 味:酸味++

山田屋の湯小屋は本館から離れた所にある。看板に鉱泉と大書きされているが勿論沸かし湯ではない。浴室と浴槽はとても小さく、浴槽は3人が入ればいっぱいになる広さだが2人以下で入りたい。熱い源泉が少しづつ湯船に注がれると同時に同じぐらい湯船の外に捨てられている。残念ながら、先客がかなり水を足したようでややぬるめになっていた。お湯は何とも肌触りが心地よく肌を包み込むような感触がある。ぬめり感もあるが肌が融けているのかもしれない。とても体に効きそうなお湯だ。加水されていたためか塚原を少しマイルドにした感じであった。硫黄臭があればもっと好きになるのだが。贅沢か?(2000/06/24/AM10:10)

明礬温泉「湯元屋旅館」 大人:250円
源泉名:湯元屋旅館
泉質:酸性-アルミニウム-硫酸塩泉(酸性明礬泉)
泉温:76.6度C pH 1.85 成分総計 2,481mg/kg Al 66.0
色:薄緑濁 臭い:明礬臭? 味:酸味

山田屋隣のにあるこじんまりとした旅館。やや鄙びつつありる。お風呂は山側の奥にあり、内湯×1。シンプルな造りの湯小屋に3〜4人が入れる木造のお風呂がある。多分混浴。熱い源泉がチョロチョロと湯船に注がれており、それ以上にお湯が捨てられている。お湯はちょっと濁った感じの湯で、ややぬるめになっていた。加水することなく源泉投入量を押さえることによって湯加減を調整しているようだ。やや湯の鮮度は落ちるものの落ち着いてゆったりとお湯に浸かれる。酸性にしては肌触りがやさしくまろやかな湯ざわりだ。ほのかに明礬臭?が香り良い意味での田舎臭い温泉が楽しめる、まずまずのお湯だと思う。源泉そのものは山田屋の方が濃い。(2000/06/24/AM10:50)


(つづく)

5.湯破二日目(その2)


明礬温泉「ゑびすや温泉」 大人:600円 AM9:00-PM8:00
源泉名:ゑびすや温泉
泉質:単純酸性硫黄泉(硫化水素型)(酸性低張性高温泉)
泉温:64.5度C pH 2.8 成分総計 758mg/kg H2S 23.9
色:白濁 臭い:薄硫黄臭 味:硫黄味

ゑびすや温泉には源泉が硫黄泉と炭酸泉の2つが引かれており、浴槽もたくさんある。硫黄泉は露天と男子浴室、貸し切り風呂×2に使用されているようだ。内湯はすべて小さな浴槽で4〜5人が入れる広さ。白濁した熱めのお湯が注がれているが、見かけほど濃くはなく入浴感もそれほどない。はっきり言って薄い。硫黄臭も少なく白濁の硫黄泉としては見かけ倒しだ。なまじ色があるだけに落差が多きい。混浴の露天も大きなもので一般受けする造りだ。一方炭酸泉は

色:無色透明 臭い:無臭 味:無味

と三拍子揃った上、浴感無のたたのお湯のように感じられた。
(2000/06/24/AM11:30)


明礬温泉「豊前屋」 大人:300円
源泉名:トビ温泉
泉質:単純酸性硫黄泉(硫化水素型)
泉温:70度C 
色:薄白濁透明 臭い:薄硫黄臭 味:微酸味+硫黄味

地蔵泉の裏手にある割と大きめの旅館だ。お風呂は内湯×1。浴室はあまり大きくなく浴槽も5〜6人が入れる木でできたものだ。基本的に無色透明のお湯だが、小さな白い湯の花が舞うと白濁する。湯花は浴槽の底にたくさん沈殿している。お湯はかなり熱めだ。ここのお湯は酸味が少なく硫黄味がやや強いが、臭いはそれほどでもない。お湯は肌触りが滑らからでとても気持ちの良さが残る。少しのぬめり感とやさしく肌を包み込むような湯の感触が嬉しい。貸し切り状態で入っていたので、のんびりゆったり浸かることができ満足感は高かった。柳沢隊長はいたく気に入ったようであった。(2000/06/24/PM0:10)


明礬温泉「旅館岡本屋」大人:800円
源泉名:旅館岡本屋
泉質:単純酸性硫黄泉(硫化水素型)<酸性硫化水素泉>
泉温:81.4度C pH 2.4 成分総計 686mg/kg H2S 9.5
色:微白濁透明 臭い:薄硫黄臭 味:薄硫黄臭

地獄蒸プリンで有名な岡本屋。旅館もかなり大きく立派だ。お風呂は内湯×2と露天×1。いずれもかなりかなり大きく立派で全国区クラスの施設だ。内湯はタイル張りで15人は入れるものと岩風呂がある。いずれも薄い硫黄泉が注がれており、あまり入浴感は感じられない。元々薄い上に大量加水されているようだ。気持ちぬめり感が感じられる程度だ。露天もかなり大きく30人ぐらいは入れる庭園風のものだ。ここもお湯は薄く雰囲気だけだ。わざわざ明礬温泉に行ってここに入る必要はないと思う。岡本屋は地獄蒸プリンだけで十分のようだ。( 2000/06/24/PM1:00)


明礬温泉「山の湯」大人:500円 AM9:30-PM9:00
源泉名:明礬山の湯
泉質:単純泉(中性低張性高温泉)
泉温:61.3度C pH 6.4 成分総計 314mg/kg
色:薄青味白濁透明 臭い:薄硫黄臭 味:微硫黄味

明礬温泉でも一番高い所にある温泉施設。岡本屋が運営しているらしい。新しいようだがこじんまりとしている。湯小屋の屋根は木造で天井も高くなかなか立派だ。お風呂は岩風呂風のものが一つある。それと打たせ湯がある。12〜3人が入れる浴槽に青味がかった湯が張られており、そこそこの入浴感は得られるが物足りなさも残る。浴槽のお湯が適温になっており加水されているような気もするが、元々が薄い湯なのでそれなりの浴感しか得られない。遠く別府湾と別府市街が見渡せ、展望が良いのでゆったり入るにはそれほど悪くはない。(2000/06/24/PM1:30)


明礬温泉「別府温泉保養ランド」 大人:1050円 AM9:00-PM8:00
泉質:酸性明礬緑礬泉
源泉名:紺屋地獄源泉(NO.1)
泉温:41.5度C pH 2.40 成分総計 1,415mg/kg
源泉名:紺屋地獄源泉(NO.2)
泉温:27.5度C pH 2.55 成分総計 2,071mg/kg
源泉名:紺屋地獄源泉(NO.3)
泉温:26.5度C pH 2.50 成分総計 2,429mg/kg
源泉名:紺屋地獄源泉(NO.1)
泉温:38.0度C pH 2.45 成分総計 2,210mg/kg
色:白濁 臭い:薄硫黄臭 味:酸味

有名な別府温泉保養ランドに行ってみた。思っていたより年季が入った施設で、最近の公共のセンター系施設を見慣れた目には施設面でちょっと見劣りがするかなというのが第一印象であった。さて、肝心のお湯はどうか?お風呂はコロイド湯(内湯、露天)泥湯(内湯、露天×2)がある。コロイド湯の内湯は50人ぐらいは入れるかと思えるほど広い正方形に近い浴槽だ。白濁しており肌触りのやさしい湯で入浴感はある。強烈な印象は残らないが、じわじわと効いてきそうなお湯だ。特に泥湯からあがった後に入ると、ほんと気持ちがいい。

泥湯は最初気持ち悪かったが慣れてくると徐々に肌になじんでくる。じっとしていると身体の芯から熱くなってくるような感覚になる。基本的に狭い浴槽が好きなので、ここの広い露天や内湯の浴槽に入っていると自分の身の置き所に困ってしまう。なかなか落ち着いてゆったりお湯に浸かることができないのだ。それでも大変個性な施設で、お湯の良さのみで勝負している点が気に入った。
(2000/06/24/PM2:30)

6.エピローグ

あっという間に過ぎてしまった2日間であったが、「別府温泉保養ランド」で別府湯破は取りあえず終了した。25ヶ所のお湯に入浴したが、ほとんどが独自源泉であった。さすが別府だ。隊長はアブラ臭の温泉に出会わなかったのが少し不満のようだ。湯破途中で小耳に挟んだ大分市内にあるというアブラ臭がする温泉に後ろ髪を引かれているようだ。

タクシーに乗車する。いきなり運転手さんに「お客さん、温泉入ってきましたね。明礬温泉の臭いがしますよ!」気がつかなかったが我々二人は朝から明礬温泉に10ヶ所近く入浴してきた上、泥湯でたっぷり硫黄臭を染み込ませていたのだ。かなり香ったに違いない。

大分空港で、手荷物検査を受ける。荷物はOKだが我々が通り過ぎると激しくブザーが鳴る。

係員「困りますなあ、お客さん達。機内にこんなに大量の硫黄臭を持ち込んだりしちゃ。今回は見逃してあげますが、次回から気をつけてくださいよ。」と注意を受けてしまった。

機内では残念ながら硫黄臭好きのスチュワーデスは乗務しておらず、お友達になることはできなかった。次回湯破時に期待。

(おしまい)


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