2006年08月06日更新)


14. 湯破隊風雲録(会津西山温泉・単独編)


 

会津西山温泉リベンジの旅・熊谷単独行動編(2000年1月)

熊谷@湯破隊(No.003)です。

昨年、私を除く湯破隊のメンバーが総なめにして話題になった会津西山温泉。私自身は、これまで「せいざん荘」しか入浴したことがなく、湯破隊員の間で非常に肩身の狭い思いをしていた。昨年の西山温泉湯破のビッグ・プロジェクトに混ぜてもらえず、無念のあまり幾晩となく悔し涙で枕を濡らしたものだ。その無念さをはらすべくの雪の西山温泉に単独で行ってきた。

西山温泉「旅館新湯」 (宿泊)

西山温泉では鄙びてはいない旅館だ。新館はかなり小奇麗で一般の人でもOKのフンイキ。実は以前湯破隊が入浴をお願いした時に、断られてしまったことがあり万全を期して今回は宿泊することにした。わははは。(高笑)

(男湯)
源泉名:荒湯
泉質:塩化物泉
泉温:54度C pH 6.7 成分総計 2,343mg/kg
色:無色透明 臭い:薄硫黄臭 味:薄塩味

男湯はリニューアル済みの小奇麗な浴室。お風呂は内湯×1で7〜8人が入れる広さ。無色透明の湯が掛け流しになっている。やや熱めでピリッとくる湯が皮膚を引き締めてくれる。荒湯源泉としては浴感は十分にある。肌触りは滑らかでぬめり感もある。ほんのり硫黄臭もあり心地よさが残る。浴槽から溢れ出る湯を浴びながらしばしの間トドになった。

(女湯)
源泉名:新湯
泉質:塩化物泉
泉温:71.2度C pH 6.7 成分総計 4,754mg/kg H2S 3.8
色:無色透明 臭い:硫黄臭 味:塩味

私以外宿泊者がいなかったので、宿の人に断り女湯を借りることにした。急な階段を降りて行くアプローチに期待感が高まる。浴室に入ってちょっと驚く。おそらく昔のままの浴室・浴槽だ。コンクリートむき出しの浴槽が2つ並んでいる。ここの新湯源泉、男湯の荒湯源泉よりずっと良い!。硫黄臭も強く、肌触りが何とも言えず心地の良いもので、ぬるぬる感とつるつる感を足したぬるつる感が強い。荒湯に比べやわらかなやさしい感じの湯だが、とろみ感もあり入浴感はこちらのほうが上だ。また茶褐色の湯花も舞っており、浴槽も深くじっくりとお湯を堪能できる。湯の注ぎ口ではちょっぴりアブラ臭もするのだ。(2000/01/28/PM10:00)

西山温泉「老沢温泉旅館」 大人:400円
源泉名:老沢源泉
(分析表掲示なし)
色:無色透明 臭い:微硫黄臭 味:薄塩味+薄金気味

伝統的な湯治宿の風情を色濃く残している宿。お風呂は内湯×3。浴室へは急な階段を降りて行く。長四角の3つの浴槽が適当な間合いをおいて作り込んである。変な話だが私には棺が3つ並んでいるように見えた。お湯は無色透明で少しのぬめり感があり、じっとしていると少ないが気泡がくっつく。何といっても浴室・浴槽の雰囲気が圧倒的に良いのでただただお湯にじっくり浸かっているだけで、幸せを感じる。源泉が惜しげもなく掛け流しになっており、深い浴槽に茶褐色の湯花も華麗に舞っている。硫黄臭がちょっぴりなのが不満といえば不満だが、ここはただひたすらのんびりゆったり浸かっていたいお湯であった。(2000/01/29/AM9:20)

西山温泉「旅館滝の湯」 大人:500円

(男湯)
源泉名:荒湯
泉質:塩化物泉
泉温:54度C pH 6.7 成分総計 2,343mg/kg
色:微緑色透明 臭い:薄硫黄臭 味:薄塩味 ケロリン桶

(女湯)
源泉名:滝の湯
泉質:塩化物泉
泉温:68度C pH 7.0 成分総計 5,264mg/kg H2S 0.9
色:無色透明 臭い:薄硫黄臭 味:薄塩味出汁味 ケロリン桶

リニューアル済みの小奇麗な旅館。女湯が空いていいれば男性が入浴しても良いと掲示されているので、安心して2源泉を楽しむことができる。男湯は内湯×1と露天×1。7〜8人ぐらいが入れるタイル張りの浴槽に荒湯源泉が注がれている。ここは湯温がぬるめに設定されているせいか、つるつる感はあるものの浴感が旅館新湯の荒湯に比べると弱い。女湯は独自源泉の滝の湯で浴室に薄く硫黄臭が漂っている。お湯は無色透明で、ぬるつる感は新湯の次ぐらいにあり肌触りはかなり良いと思う。また白い湯花が気持ち悪いぐらいに大量に舞っていた。ここを訪れたなら女湯には是非入ってみてほしい。(2000/01/29/AM10:00)

西山温泉「旅館中の湯」 (本館)大人:400円
源泉名:杉の湯
泉質:塩化物泉
泉温:75度C pH 6.6 成分総計 4,518mg/kg H2S 187.3
色:薄白濁 臭い:薄硫黄臭+鰹節臭 味:薄塩味出汁味

西山温泉の中ではもっとも目立つ感じの旅館だ。新館の方がちょうどお湯の入れ替え中のため独自源泉の一つの「中の湯」には入ることができなかった。本館は大丈夫であったので、もう一つの源泉の「杉の湯」に浸かった。本館のお風呂は内湯×1。変形アメーバ形の浴槽に熱めの湯が少しずつ注がれている。薄白濁のお湯はぬるめながら入浴感はある。白い湯花もあり、硫黄臭と鰹節の臭いを足したような臭気が漂っている。お湯自体のぬめり感やつるつる感は少ない。少しだけ気泡が身体にくっつく。湯がぬるかったので今一つかなあ。(2000/01/29/AM11:00)

西山温泉「下の湯」 大人:400円
源泉名:下の湯
泉質:塩化物泉
泉温:69.6度C pH 6.8 成分総計 5,352mg/kg H2S 1.7
色:無色透明 臭い:薄臭素臭? 味:塩味出汁味

外観はどうみても普通の民家だ。お風呂は混浴で湯船が2つ並んでいる。4人ぐらいが入れるもので、コンクリ造りの質素なもの。浴槽はとても深く私の尻はつかなかった。お湯は無色透明。お湯の肌触りは申し分なく浴感はすこぶる良い。白い湯花も多く浸かるほどに心地よさが身体中に伝わってくる。ぬめり感はあまりないが、一度浸かってしまうとなかなか抜け出れなくなる。湯小屋の雰囲気も簡素でとても素敵で、夜に入ったらもっと雰囲気が良いのだろうなあと思う。現在は共同浴場的な存在のようだが、いつまでも続いて欲しいと思う。鄙び系の温泉が好きな方々には早めに入湯しておくことをお勧めする。(2000/01/29/PM0:00)

以上のように西山温泉を湯破してきたが「中の湯源泉」だけ入り損ねてしまった。全体的に食塩系の似かよった泉質であったが、それぞれが十分に満足のいくお湯だ。その中では「新湯」「老沢」「下の湯」が大変印象に残った。「新湯」は宿泊して思いっきり堪能してしまったので、日帰り入浴のみだと印象が異なるかもしれない。それにしても、あらためて西山温泉はいいなああと実感した。

その後ラーメンを食べに喜多方へいったついでに次の2つに立ち寄りをした。

熱塩温泉「下の湯共同浴場」 大人:200円 AM9:00-PM4:00(外来者)
泉質:含土類食塩泉
泉温:72度C pH 7.0 成分総計 14,508.6mg/kg
色:薄緑色濁 臭い:金気臭 味:塩味+苦味+金気味

熱塩温泉にある共同浴場。お風呂は内湯×1。脱衣所は男女一緒だが一応浴室は分かれている。浴槽は6〜7人が入れる細長いもので、薄緑色濁の湯が掛け流しになっている。湯温はで少しぬるいぐらいだ。お湯は割とあっさりしており、あまり力強さは感じられないものだ。肌触りはまずまずだがぬめり感はあまりない。微少の赤い湯花が舞っている。もう少しずしりとくる湯を想像していたが、加水されて薄められていたのか?しかし浴後の肌のつるつる感はなかなかのものがあった。(2000/01/29/PM1:30)

共同浴場のすぐ近くの「笹谷別館」が何故か私を呼んでいるような気がしたのでアタックしたが、呼べど叫べど誰も出てこないので諦めた。でも気になるなあ・・・。

日中温泉「ゆもとや」 大人:700円
源泉名:日中温泉
泉質:ナトリウム-塩化物-炭酸水素塩泉(含重曹-食塩泉)
泉温:40.5度C pH 6.4 成分総計 5,763.2mg/kg 130リットル/分(動力)
色:笹濁り 臭い:金気臭 味:炭酸味+苦味

鄙びのかけらもない、かなり立派で大きな温泉旅館。玄関で靴を脱ごうとしたら、「靴のままでいいですよ」と言われ赤面してしまった。お風呂は内湯×1と露天×2。内湯はバリバリの循環濾過湯で無色透明・無味無臭のただのお湯だ。露天は源泉を加熱したものと源泉そのままのものとがある。加熱湯は長方形の桧風呂となっており、冬は木製の蓋がしてあり、自分で開けて入る。お湯は笹濁りの金気臭があるもので、加熱のせいかとろっとした感じもする。赤い微小の湯花もある。もう、一つは木製の円形のもので5〜6人ぐらいが入れる広さだ。多分源泉のままと思われる湯が注がれており掛け流しになっている。湯がごぼごぼと注ぐ度にピチピチと炭酸がはじける音がする。ぬるいので一旦浸かるとなかなか抜け出れない。雪をながめながらぬるい湯に浸かるのもなかなか良いものだ。外観からハズレを予感したが、まあまあのお湯だと思う。( 2000/01/29/PM2:30)


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