2006年06月11日更新)


13. 湯破隊風雲録(渋温泉編)


湯破隊「湯田中渋温泉」を行く(2000年11月)

今回、湯破隊が目指した温泉地は湯田中渋だ。この一帯は温泉が密集しており湯破には最適なのだが、何故か足が向いていなかった。まあアブラ臭のする温泉がないというのが多分大きな理由であったろう。しかし、今回はミレニアム湯破として本拠地をあの「金具屋」に構えて湯破することになったのだ。これに心が躍らずにいられようか。

1.山田温泉

さて、いつものように湯破隊員の朝は早いのだが、待ち合わせの時間に余裕があったので久しぶりに山田温泉「大湯」に寄ってみた。

山田温泉「大湯」大人:300円
源泉名:山田温泉(大湯)
泉質:カルシウム・ナトリウム-塩化物泉
泉温:64.9度C pH 7.1 成分総計 4,858mg/kg
色:無色透明 臭い:温泉臭+微硫黄臭 味:薄塩味

全国にいくつかある大湯の中でもここは好きな方だ。お風呂は内湯×1。浴室はすべて木製で木の香りが残っている。浴槽も木でできており15〜6人が入れる広さ。無色透明ながらほんのり温泉らしい香りがするお湯が溢れている。この日に入る最初の温泉であったので、やや熱めのお湯が心地よい。少しのつるつる感がありお湯の成分が肌に染み込んでくるようだ。湯口付近ではちょっぴり硫黄臭も感知できる。相変わらずカランが木でできており嬉しい。(2000/11/11/AM8:20)

2.角間温泉

全員が集合し、いよいよミレニアム湯破の開始だ。
角間温泉は大きな温泉場ではないが、数軒の旅館が軒を並べているその佇まいが何とも素敵だ。一軒一軒の旅館に味わいがあり思わず吸い込まれそうになる。まずは共同浴場のお湯を借りることにする。

角間温泉「共同浴場・新田の湯」駐車場代:300円(3ヶ所共通)
源泉名:角間温泉
泉質:含砒素石膏食塩泉
泉温:87.8度C
色:無色透明 臭い:薄石膏臭 味:薄塩味+薄石膏味

角間温泉にある風情のある共同浴場。脱衣所浴室一体型の造り。お風呂は内湯×1。5〜6人が入れるコンクリでできた四角い浴槽。浴室を包み込む雰囲気が何とも良い。熱めのお湯が注がれている。お湯に浸かってみる。うーん、身体にびしっとくるお湯だ。ややとろみ感があり肌触りの良い湯だ。茶色の湯花も舞っておりいかにも温泉らしい芳香が漂っている。( 2000/11/11/AM10:20)

角間温泉「共同浴場・滝の湯」駐車場代:300円(3ヶ所共通)
(新田の湯と同じ)
色:無色透明 臭い:薄石膏臭 味:薄塩味+薄石膏味

外観からしてそそられる共同浴場だ。ここも脱衣所浴室一体型。お風呂は内湯×1。5〜6人が入れるコンクリ造りの浴槽。熱めの源泉が注がれている。浴槽に張られているお湯もかなり熱く、浸かっていると足から段々熱くなってきてヒリヒリしてきてしまう。湯上がり後に皮膚に残る温泉らしい香りが素敵だ。(2000/11/11/AM11:10)

大湯にまだお湯が溜まっていなかったので、角間に着いて以来気になってしょうがなかった「越後屋」に入浴をお願いするが、混んでいるからということで断られてしまった。

角間温泉「高島屋」無料
泉質:単純泉?
色:無色透明 臭い:ほぼ無臭 味:ほぼ無味

大湯の裏にある中規模の旅館。入浴をお願いすると何と無料で入れてくれた。お風呂は内湯×1。3人ぐらいが入れる明るいタイル張りの浴槽。そこにとても熱い源泉が溢れている。だいたい47度ぐらいはありそうだ。熱いだけで特に特徴のあるお湯ではない。全員歯を食いしばって頑張って浸かった。それにしても無料で入れてくれた女将さんに感謝!( 2000/11/11/AM11:40)

角間温泉「共同浴場・大湯」駐車場代:300円(3ヶ所共通)
(新田の湯と同じ)
色:無色透明 臭い:薄石膏臭 味:薄塩味+薄石膏味

角間温泉のシンボルの大湯だ。ここも脱衣所浴室一体型。お風呂は内湯×1。浴室内は新しめで浴槽は6〜7人が入れる水色のタイル張り。朝に一度お湯が抜かれており、ちょうどお湯を溜めている状態だが8割方うまっていた。そのせいかお湯はぬるめで、浅いながらもゆったり浸かれる。赤っぽい小さな湯花も舞っており、お湯の芳香はここも良いものがある。源泉が間欠泉のようにゴボゴボと出てくる。( 2000/11/11/PM0:00)

3.渋温泉

「越後屋」に未練を残したまま角間を後にして渋温泉に向かった。お昼を食べるだけの予定であったが気がつくと、旅館に湯を乞うていた。

渋温泉「いかり屋」大人:300円
源泉名:比良の湯
源泉名:含石膏食塩泉(緩和性低張性温泉)
泉温:61度C pH 4.78 成分総計 1,293mg/kg
色:薄白濁 臭い:金気臭 味:薄塩味

渋温泉の中心部にある旅館。外観にそそられて入ってみた。階段を降りていくと浴室がある。お風呂は内湯×1。7〜8人が入れる石造りの浴槽。薄く白濁したお湯が掛け流しになっている。手をつけてみると熱い!とんでもなく熱い。とても入れそうにはない。そこで断腸の思いで加水し適温にした。お湯はしっかりした感触のもので入浴感は良い。なかなか味わい深いものがある。入浴後、コーヒーをご馳走になった。 300円の入浴料でなんか申し訳ないような気がした。( 2000/11/11/APM0:20)

お昼は地元では有名らしく行列ができる蕎麦屋でざる蕎麦を食したが、まあり感激はしなかった。前回のへぎ蕎麦といい、最近うまい蕎麦には縁がないようだ。そんなこんなで次は安代温泉へと向かった。

4.安代温泉

安代温泉「安代館」大人:500円 AM8:00-PM8:00
源泉名:NO.11
泉質:ナトリウム-塩化物・硫酸塩泉(弱アルカリ性低張性高温泉)
泉温:70.7度C pH 7.5 成分総計 1,114mg/kg H2S:0.22
色:無色透明 臭い:微硫黄臭 味:微塩味

安代大湯の近くにある旅館。浴室は階段を上った階上にあるが、実は1階という構造だ。お風呂は内湯×1。10人ぐらいが入れるタイル張りのもので太い柱が浴槽に突き刺さっている。お湯はあっさりしており特別なものはない。少しのぬめり感と小さな茶褐色の湯花がちらほら舞っている。浴槽の底に吸い込み口があり、循環湯と源泉が注がれているようだ。湯の注ぎ口付近で少しの硫黄臭がする。(2000/11/11/PM1:30)

安代温泉「大湯」基本的に地元民&宿泊者専用
泉質:食塩含石膏泉
色:無色透明 臭い:微石膏臭 味:ほぼ無味

安代温泉にある共同浴場の大湯だ。「安代館」で立ち寄り入浴した時に鍵を貸してもらい入浴することができた。お風呂は内湯×1。10人ぐらいが入れる奇麗なタイル張りの浴槽。残念ながらお湯が半分くらいしか溜まっておらず、全員寝湯状態で入浴した。お湯は無色透明のさらりとしたお湯で、感触も普通だ。本来かなり熱いお湯だと思われるが、湯を張っている途中のせいかかなりぬるい。ぬるめの湯に寝湯状態で浸かっているとほんとに眠くなってしまった。( 2000/11/11/PM1:50)

5.渋温泉

さていよいよ金具屋にチェックインし渋温泉に腰を据えて、外湯を湯破する時が来た。しかし、外湯を下見して廻っているとどこからともなく心地良い硫黄臭が漂ってくるではないか。

渋温泉「御宿ひしや寅蔵」大人:600円 PM2:00-
源泉名:比良の湯
源泉名:含石膏食塩泉(緩和性低張性温泉)
泉温:61度C pH 4.78 成分総計 1,293mg/kg
色:無色透明 臭い:一部硫黄臭 味:微塩味

玄関の飲泉所でかなり良い硫黄臭がするので、立ち寄ってしまった。歴史のある旅館で3本の源泉を使っているということになっている。男湯は5〜6人が入れるタイル張りのものと半露天の2〜3人が入れる岩風呂がある。無色透明の少しつるりとしたお湯だ。ややぬめり感もあり肌触りも良い。白い湯花も多く舞っている。

混浴の象山露天風呂は岩風呂風の3つの浴槽があり、硫黄臭がかなりする。隊員一同期待が高鳴る。お湯はかなり熱めの無色透明のもので、ややとろみ感があり入浴感はある。しかし硫黄臭はこのお湯からはしない。露天の隅にある飲泉所のお湯からのみ硫黄臭がする。結局、玄関と露天風呂にある飲泉所のお湯が硫黄臭のかなりするお湯であったが、残念ながら浴槽には使用されていないようだ。まあ、露天風呂に併設の方は浴びることは可能だが・・。( 2000/11/11/PM2:30)


さて、いよいよ有名な渋温泉の外湯めぐりの開始だ。それにしても浴衣掛けで手ぬぐいを持った人が大勢外湯巡りを行っているのには正直驚く。こんなに人で賑わっている温泉街は珍しいと思う。渋温泉に宿泊に来た人全員が外湯巡りをしているのではないかと思えるほどだ。これが夜10時まで続きさらに翌朝早くから始まるのだからほんとびっくりだ。

渋温泉「一番湯・初湯」
源泉名:渋温泉2189番地の源湯
泉質:単純泉
泉温:66度C 成分総計 1,071mg/kg
色:微白濁透明 臭い:金気臭 味:金気味

渋温泉の外湯・一番湯。木造のこじんまりした外観。お風呂は内湯×1。木でできた浴槽で5人ぐらいが入れる広さ。微白濁透明のかなり熱めのお湯が溢れている。お湯は少しとろみ感があり肌になめらかなお湯。金気臭がかなりあり。熱めの湯に浸かるほどに心地よさが残る。( 2000/11/11/PM4:30)

渋温泉「二番湯・笹の湯」
泉質:単純泉
色:薄白濁透明 臭い:薄酸っぱい臭い 味:微甘味

新しめの外観の外湯。お風呂は内湯×1。4〜5人が入れるタイル張りの浴槽。薄白濁透明のお湯が溢れている。お湯は少しぬめり感があり肌触りはとても良いものがある。源泉を大量投入するとかなり熱くなる。熱めの湯に気合を入れて浸るが、がんがん熱くなってくるので長湯はできない。ここのお湯は饐えた酸っぱいような臭いがする。( 2000/11/11/PM4:50)

渋温泉「三番湯・綿の湯」
泉質:単純泉
色:薄白濁透明 臭い:薄金気臭+薄酸っぱい臭い 味:微酸味

なかなか風情のある外観の外湯。お風呂は内湯×1。5〜6人が入れるタイル張りの浴槽。ここも薄く白濁透明のお湯。非常に混んでおり、かなり加水されたようでぬるくなっていた。ここは「二番湯・笹の湯」と同系のお湯で、酸っぱいような臭いがする。肌触りはまずまずで、平均的なものだが「笹の湯」よりはかなり薄い感じだ。(2000/11/11/PM5:10)

渋温泉「四番湯・竹の湯」
泉質:食塩泉?
色:無色透明 臭い:微硫黄臭 味:微塩味

平均的な外観の外湯。浴室・浴槽とも木造。やや熱めの無色透明のお湯が溢れている。お湯は少しのとろみ感があり入浴感はある。「三番湯・綿の湯」と「四番湯・竹の湯」の間は少し歩くので冷えた体を暖めるにはちょうど良い。白い湯花が少しだけある。ここは地獄谷からの引き湯のようだ。( 2000/11/11/PM8:30)

渋温泉「五番湯・松の湯」
泉質:食塩泉?
色:無色透明 臭い:微硫黄臭 味:微塩味

集会所風の外観の外湯。お風呂は内湯×1。4〜5人が入れる青いタイル張りの浴槽。無色透明の「四番湯・竹の湯」と同じような源泉が注がれている。最初はぬるかったが源泉投入量を最大にしてみた。熱めのピリリとしたお湯で、肌触りがなめらかで少しのぬめり感もある。特別特徴のあるお湯ではないが、白い湯花が舞っていた。( 2000/11/11/PM8:50)

渋温泉「六番湯・目洗の湯」
泉質:単純泉
色:無色透明 臭い:薄鉱物臭 味:薄鉱物味

なかなか風情のある外湯。浴室・浴槽とも木でできている。10人ぐらいが入れる細長い浴槽。そこへ無色透明のお湯が掛け流しになっている。見ているだけでも気持ちが良い光景だ。浴槽内には白い湯花が大量に舞っている。ちょっと気持ち悪いくらいだ。お湯はとろみ感があり、湯の成分が皮膚に絡まりつくようで、とても肌触りが良い。何と表現していいのか分からないが、お湯が独特の臭いと味がする。( 2000/11/11/PM9:10)

渋温泉「七番湯・七操の湯」
泉質:単純泉
色:無色透明 臭い:微硫黄臭+薄鉱物臭 味:薄鉱物味

こじんまりした外湯。浴室はリニューアルされており、タイル張りの4〜5人が入れる浴槽がある。無色透明のお湯が溢れている。白っぽい湯花が多いが、赤い小さな湯花も舞っている。お湯は少しのとろみ感があり入浴感はそこそこある。肌触りは少しのぬめり感がありちょっぴりぬるぬるする。とても優しい感じのするお湯だ。(2000/11/11/PM9:30)

渋温泉「八番湯・神明滝の湯」
泉質:単純泉
色:薄白濁透明 臭い:金気臭 味:金気味+鉱物味

小さ目な外湯。浴室も小さく浴槽もかわいらしい広さ。4人ぐらいが入れる木でできた浴槽。薄白濁透明のお湯が張られており、白っぽい褐色の綿のような湯花も舞っている。お湯はここもとろみ感が少しありちょとぬるぬるする。肌触りも良く、浴槽が狭い分だけちょっとだけ濃い感じもする。金気臭もあり天然の温泉に浸かっているなあという実感は残る。( 2000/11/11/PM9:50)

渋温泉「結願湯・大湯」
源泉名:渋大湯
泉質:ナトリウム・カルシウム-塩化物・硫酸塩泉
泉温:62.6度C
色:薄茶褐色濁 臭い:金気臭 味:金気味

さすがに大湯というだけあり堂々とした風格のある外湯だ。お風呂は内湯×1。木製の床と浴槽が嬉しい。10人ぐらいが入れる浴槽にお湯が掛け流しになっている。浴槽の中央に板が渡してあり熱湯とぬる湯に一応分かれている。お湯はとろみ感はないものの入浴感は十分ある。薄茶色のいかにも温泉らしい色だ。熱めのお湯に顎までとっぷり浸かっていると金気臭が鼻孔を直撃し気分がよくなる。熱い湯に何度も何度も身体を浸していると皮膚が金気臭を帯びてくる。(2000/11/11/PM10:20)

渋温泉「金具屋」(宿泊)

さても金具屋だ。ついにというべきか宿泊してしてしまった。威風堂々たる木造の外観や独自源泉を持っている上家族風呂がたくさんあると聞き、湯破隊一同一度は宿泊してみたいものだと語り合っていたのだ。今回は乾坤一滴の大勝負で金具屋湯破をすることにした。

(鎌倉風呂)
泉質:単純泉
泉温:57.9度C 成分総計 907.5mg/kg 540リットル/分
色:薄白濁透明 臭い:薄金気臭 味:金気味

金具屋で自慢のお風呂の一つ。午前零時を境に男湯から女湯に変わる。さて、浴室に入った途端おっと唸ってしまう。ひょうたん型の木製の浴槽が浴室の真ん中にあり、そこへ源泉が注がれている。ひょうたん型で木製の浴槽は珍しいと思う。何といっても木の肌触りが良く湯の良さを引き出している。お湯は金気臭のあるやや濁り気味のもので少しのとろみ感と肌触りの良さが感じられる。白い湯花も舞っている。湯温がぬるめなこともあり、浴槽の縁に頭を乗っけて暫しまどろんでしまう。源泉が注ぐ音以外は何も聞こえない静寂の中でからだの力を抜きお湯に身を委ねる。これこそ宿泊すればこその湯の楽しみかただ。泉質自体はそれほどではないが全体の調和した雰囲気が良い。

(和予の湯)
色:無色透明 臭い:微硫黄臭 味:ほぼ無味

家族風呂の一つで、一番広いもの。かつて使われていた水車の軸板と歯車を浴槽に転用したものらしい。一見して船のような形をしており、4人ぐらいが入れる。浴槽の半分が浅くなっており寝湯ができるようになっている。真ん中に枕木が渡してあり、浸かっているとほんと寝たくなってしまう。お湯は無色透明のさらりとしたもので、微かに硫黄臭が感知できる。

(子安の湯)
色:無色透明 臭い:微硫黄臭 味:ほぼ無味

ここも家族風呂の一つ。浴槽の外側と縁は木曽の桧でできており内側は浅間石でできているようだ。2人ぐらいが入れる浴槽に無色透明でかすかに硫黄臭のするお湯が溢れている。さらりとした感触のお湯であっさりしている。ここのお湯は熱めになっていたのでピリリとした感触もある。浴槽が狭い分好みの湯温でお湯を楽しめるのが良い。また源泉が出てくる打たせ湯もある。

(岩窟の湯)
色:無色透明 臭い:微微硫黄臭 味:薄塩味

家族風呂の一つ。2〜3人が入れる林檎型の浴槽が一つあり、洞窟を模した岩の割れ目からお湯が注いでいる。狭いながらも雰囲気はある。お湯はわずかに硫黄臭のする無色透明のお湯だが、肌触りはかなり良い。お湯の成分が皮膚に纏わりつくような感じもする。ぬめり感とも異なった不思議な感覚だ。浴槽が狭い分そ感じるだけかもしれないが、なかなかに感触の良い湯だ。

(恵和の湯)
色:無色透明 臭い:微硫黄臭 味:微塩味

家族風呂の一つ。ここも浅間石で作られており3人ぐらいが入れる広さ。源泉が掛け流しになっている。ここはかなり熱い。飛び上がるほど熱くなっていた。源泉は露天と同じ系統で他の家族風呂と同様だが、熱すぎてあまり浸かっていられずお湯の感じは良く分からない。肌触りがなめらかで少しだけつるつる感の残るお湯だ。

(美妙の湯)
色:無色透明 臭い:微硫黄臭 味:微塩味

ここも家族風呂の一つ。木曽のさわらでできた浴槽がある。真ん丸い浴槽で2人ぐらいが入れそうだが、私は一人で独占して入りたい広さだ。木の香りもすがすがしい。お湯は他の家族風呂に引かれているお湯と一緒で無色透明のさらりとした肌触りの良いものだ。さわらの浴槽に熱めの源泉をぎんぎんに出して浸かるとすこぶる心地よい。もう少し硫黄臭があれば更に良いのだが。

(龍瑞露天風呂)
泉質:含硫黄-ナトリウム・カルシウム・硫酸塩泉(含石膏食塩泉)
(弱アルカリ性低張性高温泉)
泉温:97.8度C pH 8.4 成分総計 1,633mg/kg 63リットル/分

階上にある展望風呂というのがちょっと気に入らないが、浅間石をふんだんに使った石風呂だ。12〜3人が入れる広さで寝湯ができるように浅くなった所が何ヶ所かある。源泉が浴槽の真ん中から噴水のように出ている。ここのお湯は硫黄臭が結構あり嬉しくなる。無色透明ながら、肌触りも柔らかく硫黄臭がある分だけ心地よく浸かることができる。この源泉は家族風呂にも引かれているが、この露天のお湯が一番状態が良いようだ。川向の駐車場から橋を渡って引湯している。駐車場の源泉湧出場所ではかなりの硫黄臭がする。

(浪漫風呂)
泉質:ナトリウム・カルシウム硫酸塩・塩化物泉(含石膏食塩泉)
泉温:62度C pH 7.0 成分総計 1,326.2mg/kg
色:薄緑白濁 臭い:薄金気臭 味:薄金気味+酸味

金具屋自慢のお風呂の一つ。夜の零時を境に女湯から男湯に変わる。浴室への入り口は2ヶ所あり脱衣所も2ヶ所に分かれているところからすると、かつては混浴だったのかもしれない。浴室は西洋風の建築様式を取り入れたもので、なかなか風格のあるものだ。浴槽は一つで小判型の12〜3人が入れる広さのもの。浴槽の中央にお湯の吹き出し口があり、噴水のようにお湯が溢れている。ここの源泉はお風呂の横地下3メートルから自噴しており、戦前は「泥の湯」と呼ばれていたそうだ。お湯はぬるめなので入浴感はあまりないが、少しとろみを帯びたお湯と大正ロマン漂う浴室・浴槽の雰囲気の中でとっぷり湯に浸かっていると何とも言えない心地よさが残る。

私の宿泊記録としては最高額の宿泊代であったが、総合的にはまずまずといったころか。温泉旅館としてのレベルは十分に満足のいくものではあったと思う。ただお風呂の数はたくさんあるものの、飛びぬけて良い印象の残るお風呂がないという点と食事にもう一工夫欲しいかなあというのが正直な感想だ。我ながら贅沢になったものだ。(2000/11/11)


渋温泉「番外・信玄かま風呂」
泉質:単純泉?
色:微濁透明 臭い:金気臭 味:金気味

外湯の番外としての位置づけにある入浴施設。お寺の一角にある。お風呂は内湯×1とかま風呂×1がある。内湯は木造の2〜3人が入れるもの。金気臭があり少しだけ濁ったお湯が張られているが、特に特徴はない。近くにある源泉湧出場所でかなりの硫黄臭がしていたので期待していたが、どうやら別源泉だったようだ。かま風呂はござを敷いた6〜7人は入れるもので床が熱くなっている。私はここの中にこもっている不快な臭い(汗臭さ?)に耐えられず早々に退散してしまった。(2000/11/12/AM10:00)

6・地獄谷温泉


地獄谷温泉「後楽館」大人:400円 AM11:00-PM4:00
源泉名:延命の湯
泉質:ナトリウム・カルシウム-塩化物・硫酸塩泉(低張性中性高温泉)
泉温:63.4度C pH 7.2 成分総計 1,097mg/kg
色:無色透明 臭い:硫黄臭 味:硫黄味

猿で有名な地獄谷温泉「後楽館」。もっと人里離れた寂しいところにあるのかと思っていたが、観光客がぞろぞろの賑やかなところにあった。お風呂は内湯×1と露天×1。内湯はすべて木でできた湯小屋内にあり、雰囲気は良い。7〜8人が入れる木製の浴槽に無色透明のお湯が掛け流しになっている。お湯はつるりとした感触で入り心地は良い。白い湯花もあり、硫黄臭もし嬉しくなる。露天風呂は渓流に面したワイルドなもの。コンクリと岩でできたもので、7〜8人が入れる。お湯は無色透明のお湯で白い糸ミミズのような湯花が舞っている。川向に墳泉があり、観光客が多く露天に浸かっていると見世物状態だが、この開放感は何とも言えず良いものだ。( 2000/11/12/AM11:00)

7.角間温泉

角間温泉「越後屋旅館」大人:300円 随時
源泉名:上原第1、第2、小づちの湯、月光閣混合
泉質:ナトリウム塩化物泉(弱アルカリ性低張性高温泉)
泉温:73.2度C pH 8.1 成分総計 1,547mg/kg
色:無色透明 臭い:微硫黄臭 味:薄塩味

角間温泉にある鄙び系の温泉旅館。前日断られたのでリベンジ。湯破隊はしつこいのだ。お風呂は3ヶ所ある。大浴場・小浴場・家族風呂が並んでいる。大浴場はタイル張りのモダンな造りで10人ぐらいが入れる広さ。乙女像の壷からお湯が出てくる。お湯はさらりとした感触のもので特別な特徴はない。無色透明で湯花もなく澄んでいる。少しだけ硫黄臭が感知できる。

小浴場は総桧造りの浴槽で3人ぐらいが入れる広さ。木の香りが心地よい。家族風呂は明るいタイル張りの2人が入れる広さ。寝湯というよりはリクライニング・シートを倒した状態でお風呂に入るような構造になっている。これはとても良い。身体が浮かないので力を抜いてゆったり入ることができます。( 2000/11/12/AM12:00)

8.湯田中温泉

湯田中温泉「よろづや」大人:1000円 (貸しタオル付き)PM14:00-17:00
源泉名:畦上噴水
泉質:ナトリウム・塩化物・硫酸塩泉
泉温:93.6度C pH 8.39 成分総計 1,741mg/kg Br:2.8 HS:0.2
色:無色透明 臭い:微微硫黄臭 味:ほぼ無臭

湯田中を代表する超一流旅館。めったにこのクラスの旅館には近づかないが、金具屋に宿泊して気が大きくなったこともあり、果敢にアタックしてみた。入浴のみは1000円で午後2時からだ。2時前に行ってしまったので暫らく、高級感あふれるロビーで待ったが、我々以外ロビーには人はいなかった。受付の女性がわざわざエレベーターで浴室まで案内してくれた。

お風呂は内湯×1と露天×1がある。男湯は「桃山風呂」と呼ばれる「よろづや」自慢のお風呂だ。とにかくスケールが大きく、その素晴らしさに圧倒されてしまう。これが温泉を楽しむだけのために立てられた建物とは信じられないくらい、規模が大きくかつ繊細な造りだ。これが桃山風なのかはわからないが全体に調和が取れ湯御殿といって良いようなものだ。

お風呂は30人ぐらいが入れる大判型の大きな浴槽が一つ、浴室の真ん中にある。かなり大きいのだが浴室もかなり広く天井も高いので大きくは見えない。水色のタイル張りの浴槽だが全体とのバランスがとてもマッチしているため、プールのようには見えない。カランも山田温泉「大湯」のような木製のものもあり嬉しくなる。ここががオリヂナルなのか?

お湯は無色透明であっさりした感じだ。肌触りもつるりとした感じがあるものの特別な感触はない。浴室の雰囲気があまりにも素晴らしいので相乗効果でお湯も素晴らしく感じてしまう。露天風呂も大規模なもので最初日本庭園の池だと思った。ここも30人ぐらいは入れる広さだ。紅葉が美しい。イチョウが黄色や赤色に色づいており、それらを見上げながらゆったり露天風呂に浸かるのは何とも贅沢な気分だ。しかも、内湯・露天共に我々の貸し切り状態だ!普通我々が入るお風呂は4人が窮屈な体制で入るのだが、ここでは身の置き所がないほど広いのだ。角があればそこに陣取るのだが、浴槽の縁が曲線のためそれもままならない。

とにかく「よろづや」は従業員の態度が日帰り客に対してもとても丁寧で好感が持てる。また、なによりも温泉が中心でそれらを取り巻くように湯殿やその他の施設部があるような気さえする。なかなか自分では宿泊できないが、懐に余裕のあるかたには断固お勧めする。( 2000/11/12/PM2:00)

「よろづや」ですっかり満足してしまった私と赤塚隊員は、ここで湯破を打ち切り温泉大名気分のまま一路自宅へ向かうことにした。しかし、あらき隊員と柳澤隊長はアブラ臭を求め更に志賀方面を目指すという。欲の深いお方達だが、なかなかいい思いをしたらしい・・・。勝手に千古温泉の美人女将に会いには行かなかったらしいので一安心。


(おしまい)


雑記帳一覧へ戻る