2006年06月03日更新)


10. 湯破隊風雲録(和歌山の温泉編)


まえがき

実はこの和歌山湯破は物凄く思い出のある記録なのだ。なぜならば私は不参加だったらだ。3ヶ月も前から入念に準備を重ね、十分に根回しを行った和歌山の温泉の湯破計画であったが、私が家庭の都合で湯破前日にドタキャンしてしまい、とても悲しい思い出の残る記録である。その当時、温泉界のプリンスと呼ばれた「あらき隊員」の下記のような素晴らしいレポートを読んで何日間悔し涙で枕を濡らしたことか・・・。

以下は「あらき隊員」のレポートの無断引用である。

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こんにちは、あらき@湯破隊(No.004)です。

西暦2000年3月25日 土曜日 午前8時30分 ― 劣化温泉防衛軍 湯破隊対策本部

「大佐ーっ!湯破隊が出現しました!」
「なにっ!今度はどこだ!」
「勝浦ですっ」
「千葉か。意外は意外だが…」
「いえっ!勝浦は勝浦でも和歌山県の那智勝浦です!」
「なんでだ!なんで連中が関西に出現するんだぁ!」

西暦2000年3月26日 日曜日 午後11時15分 ― 湯破隊声明文

「われわれ湯破隊は、かねてからの懸案であった西日本進出を果たすべく、柳澤 隊長、赤塚長老、あらきヒラ隊員の3名による遊撃部隊を編成、和歌山県全県 ならびに奈良県南部の主要温泉地を撃破せしめた。以下はその赫々たる戦果の 概要である。なお、詳細な報告は追ってなされる」

3/25(土)
勝浦 「ホテル浦島」 5:30-22 500
いまだに500円の入浴料は「日本一のコストパフォーマンス」と言ってよい。
- 忘帰洞 5-10,11-24
灰白濁の硫黄泉が放つ、焦げ硫黄臭は相変わらず素晴らしいが、硫黄泉100%浴槽が無かった(?)のか、前回訪問時(昨年5月)対比、やや不満感が残った。これが尾をひいたか、食塩泉とのブレンドによる「玉のような」感触ももう一歩。
- ハマユウの湯 24H
内湯隅の小浴槽を満たす緑灰濁の硫黄泉は熱く濃密な感触で、今回の浦島におけるベスト。毎回毎回様子が変わる浦島の湯の使い方は日本温泉七不思議の一つ。
- ごんど浴場 6-13,15-24
前回、悪い印象しかなかったごんど浴場だが、湯が変えられたのか?今回は薄白濁の硫黄泉だった(前回は暗緑透明のくたびれた湯)。半(?)循環仕様ながら湯口からは甘い硫黄臭がし、忘帰洞が万全でなければ、この香りに「鯨唸り」を発しても不思議ではないと思った。その他、水風呂も撤去されていた(「温冷交互浴のすすめ」は掲示されっぱなしなのに)。
- 玄武洞 5-12,14-24
前回、緑濁の食塩泉的性格の強い硫黄泉だった玄武洞、今回は薄白濁の硫黄泉でみたされていた。洞窟の雰囲気は良いが、湯はあまり面白くない。

偵察のみ 奥ゆりの山 湯小屋 ジモ専
先客がいたので内部の偵察のみさせてもらったが、底の抜けそうだった生け簀が小ぶりなニュー生け簀に置きかえられるなど、ジモ専化以降、内部設備の拡充がはかられたようだ。入浴できないのは悲しいが、健在であるのは嬉しい。

偵察のみ 橋の川(仮称) 源泉垂れ流し
「関西一の露天風呂」を偵察。先客(ものを洗っていた)がいたため入浴できず。

ゆりの山 「ゆりの山温泉」 9-22 金 300
柳澤隊長、大のお気に入り。今度、日帰りで来るらしい。

勝浦 「はま湯」 13-22 7,22日 290
ぬる湯の後は熱い湯がよかろうと思ったが、適温程度だった。記憶では緑色透明の熱く刺激的な湯だったのだが、今回は無色透明の優しい肌触りの湯だった。

那智天然「 那智天然温泉」 13-19 1の日 200
温泉プールで泳いでいる人をはじめて見た。

偵察のみ 山際地(仮称) 源泉垂れ流し
以前のシンクの変わりにベビーバスが設置されていた。シンクでの入浴は危険だと判断されたのか?

上湯 「村営露天」 24H 300
前回ほど熱くない。記憶では熱く重い肌触りの硫黄泉だったが、今回は重曹的なつるつる感が柔らかみを加えていることがよくわかり、さらによい湯だと感じた。また、薄暗い湯屋から、狭く切り取られた周囲の自然にのぞむ風情が、やはり素晴らしい。
なお、村営露天と上湯茶屋の間に、もう一つの風呂が新設(?)されていた。料金設定は二百円。村営露天危うし?

十津川 「蕨尾公衆浴場」 7-21:30 無 300
 先客が大量に加水しており、目の前が暗くなる。が、熱い硫黄泉だと思っていた湯を適温で試してみると、分析表通りの含食塩重曹泉らしい、つるつる感の強い、なんとも優しい眼差しの湯であることがわかった。手入れの行き届き具合の見事さは相変わらず。

湯の峰 「民宿あづまや荘」 宿泊 8,550
灰白濁の熱い湯は、焦げ硫黄臭も強く、かなり満足度が高い。前後のハードスケジュールにもかかわらず、夕食前、寝る前、寝起き、朝食後と四回入浴する。

湯の峰 「あづまや」 12-15 500
あづまや荘の宿泊客は、夜になれば本家であるあづまやの風呂にも入れる。高級旅館の風呂に入れてお得感強し。しかし、槇の浴槽の感触こそ良いが、加水のせいか泉質的な満足度は低い。 ただし、あらきヒラ隊員が単独入浴した家族湯は、限界ギリギリの熱さのさまし湯。熱い湯に飢えていた体にしみいるようであった。

3/26(日)
湯の峰 「公衆浴場(薬湯)」 6-22 300
宿で何度も良い湯に入ったせいか、前回ほどの好印象なし。それでも、さまし湯独特の風合いは入浴の価値あり。

湯の峰 「つぼ湯」 6-21:30 260
今度こそ加水ゼロでの入浴を誓っていたが、7時開始と勘違いし、ゲットしたのは四番札だった。しかし、状態は前回よりもかなり良いように思われ、源泉足元湧出ならではの感覚、フレッシュな硫黄臭に深く納得した。

渡瀬 「わたらせ温泉」 6-21:30 無 700
奥の別源泉露天トリオで、巨大な老沢温泉旅館(福島)状態を楽しむ三人。

川湯 「共同露天」 6-10,15-22 100
今回は白昼堂々の入浴。対岸からの引き湯により、ごく少量の加水のみで川湯の湯の良さを味わえるのは、やはり良い。

奥熊野「 Hアイリスヒルズ」 8-21 無 500
残念ながらほとんどぬるぬるしなかった。一方、おやじはリハビリ順調のようで元気かつ饒舌。

白浜「 崎の湯」 8-17 4水 無料
好天のもと、適度に荒れた太平洋のそばで、行幸源泉の良い湯が楽しめる崎の湯は、やはり素晴らしい湯だと再認識した。比較的すいていたのも嬉しい。湯口直下の湯つぼ(?)でゆだる。

白浜 「牟婁の湯」 7(木 12)-23 無 300
崎の湯の後では、行幸源泉の状態は見劣りする。逆に、まぶ湯源泉の湯が独特な香りを放っていることに気付き、気分良く入浴。が、このあたりで、さすがに温泉力が尽きはじめる。

花山 「花山温泉」 8-22 2,4木 1000(17- 600)
廊下の飲泉場で、思わず温泉水を吐き出す柳澤隊長。やはり吐き出す赤塚長老。ほくそえむヒラ隊員。脱衣場から浴槽の状況を目撃、目が真円になる隊長。気付かずに入場、浴槽の前で立ちすくむ長老。してやったりのヒラ隊員。 残念ながら時間の都合で本山天然温泉は断念。

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あとがき

それにしても今読み返しても猛烈に悔しい。その後和歌山の温泉へは単独で湯破に行ったのだが、やはり仲間と一緒に廻った方が数段湯巡りは楽しいものだ。湯破隊は基本的に4人構成なのだが、私の都合がつかず何度か湯破を断念した苦い思い出がある。好きなときに温泉に行ける自由を得るためのハードルは依然高く、湯破隊が復活してもまた私だけ涙を飲むのだろうか。


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