2006年05月14日更新)Ver.1.02

あ行

用語 よみ 解説
アブラ*** あぶら*** インターネット上で「アブラ***」というハンドルネーム(HN)を使用している者がいたら、それは熊谷温泉の仮の名前であることが多い。過去に「アブラ童子」「アブラ大使」「アブラ法師」「アブラ大王」等のHNを使用していたようである。最近は「アブラ電気商店」という異様に長い名前を使用しているようだが一般的には不評のようだ。いずれのHNも何故か長続きしないのが特徴。
     
アブラ臭 あぶらしゅう 元々は分析表に稀に「・・・油臭を有し」と表記されたことから来ている言葉で、文字通りお湯から油のような臭いが香るもの言う。小学生でも理解できるような言葉だと思うのだが、信じられないことに世間では未だに一般的な言葉ではないらしい。

かつてTV番組の「あるある大辞典」で温泉博士の藤田さんがアブラ臭という言葉を発したのが唯一メジャーな露出であったと記憶している。その時ですらけしからんことにテロップでは油臭と表記されていたのが悲しい思い出として残っている。

温泉ファンが通常この言葉を使用するときは「アブラ臭」とカタカナ表記をするのが正しい使い方である。ちなみに「アブラ虫」とは何の関連性もない。ちょっと自慢をするとこのカタカナと漢字混じりの「アブラ臭」という表記は熊谷温泉がオリジナルのはずである。

アブラ臭と一言で言っても非常に種類も多く、またとても奥が深い臭いである。故に使用する場合は特段の配慮と思慮が必要である。以下に解説される「アブラ臭」の解説を熟読し、「アブラ臭」の由緒正しい使用法を是非マスターして活用し、その普及に努めていただきたい。

(アブラ臭の歴史)
アブラ臭の歴史については諸説あり、これは後世の歴史家の評価を待たねばならないが、昭和30年代の古い分析表に「・・・油臭を有し」という表記がみられることから、この辺が起源と思われる。ただアブラ臭という言葉が一般的になったのは、1990年代後半に隆盛を極めた温泉メーリングリストへの一連の投稿がきっかけであると思われるので、まだせいぜい10年ぐらいの歴史しか有していないと思われる。

(アブラ臭の分類)
アブラ臭をその臭いで分類してみると、いくつかに分けることができる。しかしこの分類方法は個人差が大きく、あくまで熊谷温泉式分類法であり、他の分類の仕方もあるということをご理解した上で見ていただけるとありがたい。温泉の臭いに関しては湧出の状況や浴槽内での使用方法そして個人によって感じ方が大きく異なるため厳密な分類はなかなか困難なのが実態である。

1.純正アブラ臭
このグループは正にアブラ臭としかいいようのない臭いで、鼻につんとくる感じのする臭いが特徴である。代表的な例としては東鳴子温泉、巣郷温泉、あすなろ温泉などがある。


2.石油系アブラ臭
このグループは石油になりそこねたものが温泉になったような感じのもので、かなり強烈なアブラくささを発している。代表的なものとして、新津温泉、豊富温泉、松之山温泉などがある。

3.硫黄泉系アブラ臭
硫黄分がかなり多く含まれているため、硫黄臭と合体して硫黄臭系のアブラ臭となったもの。これも臭いはかなり強力なものが多く、厳密には更に小分類が必要である。代表的なものとして月岡温泉(上記2の仲間でもある)、喜連川早乙女温泉、東多賀の湯、新屋温泉などがあるがこの分類法には異論が多いかも知れない。

4.強食塩泉系アブラ臭
新興の温泉に多い強食塩泉から感じ取れるアブラ臭であるが、多くは臭素臭やその他の臭いと合体して複雑な臭いとなっていることが多い。悪臭系温泉(便所臭)はこのグループにほとんど含まれる。代表的なものは西方の湯、石脇温泉、天塩温泉などがあげられる。

5.その他
ネット上でアブラ臭とレポートされている温泉の多くが、臭素臭をベースとする温泉とモール臭をベースとする温泉であることが多いように見受けられる。少なくとも熊谷温泉での分類上はあくまでこれらはアブラ臭ではなく臭素臭、モール臭に括られるものだ。微妙な違いであることが多いが是非とも臭いを嗅ぎ分けてみていただきたい。
     
煽る あおる 他人に対して温泉自慢をすること。自分は訪れているがまだ未湯の人に対して「えっー、○○温泉にまだ行ってないの?あそこは素晴らしい。温泉ファンなら行かなきゃね。」ってな感じで使用するが、あまりしつこいと嫌われるので、その使用には気をつけたい。

また新種の煽りとして画像掲示板にさりげなく温泉の画像をアップして、不特定多数の人を煽る方法が流行っているようだ。画像のみで温泉名等をわざと書かないという姑息な方法がとられることが多い。

足元自噴温泉 あしもとじふんおんせん 足元湧出温泉と呼ばれることもある。基本的に温泉が自噴している上に浴槽を作ったものを言い、日本には数十箇所しか存在しない非常に貴重な温泉。

浴槽の底からお湯が湧いてくるので、新鮮さ溢れる温泉を思い切り味わうことができる。正に生まれたての源泉を空気に触れる前に体感できるので究極の温泉入浴と言っていいと思う。その多くはぬるめの温泉で、浸かっていると気泡が身体に付くことが多い。

日本に存在する足元自噴の温泉に全て入るのが熊谷温泉のライフワークである。足元自噴温泉に関しては郡司さんの本に詳しく書いてあるので、購入をお勧めする。

アワアワ あわあわ しばしば温泉に浸かっていると身体中がびっしりと小さな気泡に覆われてしまうことがある。このことをさしてアワアワになると表現する。身体中に気泡がくっつくのでとても気持ちが良く、気泡系ぬるぬるになり肌触りも良いことが多い。アワアワになる=加工されていない新鮮な源泉と理解してよい。
あつ湯 あつゆ 文字通り熱いお湯のことをいう。特に定義はないと思われるが、私は浴槽内のお湯の温度が45度C以上は「あつ湯」と呼ぶことにしている。
アル単 あるたん アルカリ性単純温泉の短縮形。アル単泉と呼ぶこともある。無色透明無味無臭の特徴のないお湯であることが多く、温泉ファンからは誉め言葉として使われることはまずない。

私もかつてはそうであったが、最近アル単のわかる年頃になってきたのか、「ぬる湯」のアル単は意外と好意的に評価するようになってきた。(笑)

硫黄泉 いおうせん 硫黄分を含んだ温泉。他の成分と合体している場合は「含硫黄-○○泉」という表記になる。熊谷温泉で紹介している温泉は硫黄泉の割合が非常に多いと思われる。何故なら硫黄泉が大好きだからなのだ。

最近はあっさりめの単純硫黄泉が一番好きな泉質となっている。硫黄泉の最大の特徴はお湯の色と臭いである。お湯の色は無色透明、緑色、白濁と様々だが、臭いは独特の硫黄臭がする。一般的に温泉の臭いといえば硫黄臭をイメージする人が多いと思う。

硫黄臭 いおうしゅう 主に硫黄泉から発せられる独特の臭い。私は大好きな臭いであるが世の中には嫌いな人もいるらしいのでわからないものだ。しばしば他の泉質の温泉からもちょっぴり感知することができる。

私は温泉切れを起こしそうになるとお湯を張った洗面器に「草津ハップ」を垂らして、漂ってくる硫黄臭を思い切り吸い込むようにしている。ほとんど病気ですな。(笑)

飲泉 いんせん 温泉を飲むことをさす。温泉好きは湯口を見ると条件反射的に飲泉していることが多いようだ。ピュアな温泉であれば湯口から直接飲泉しても良いが、循環している可能性も多く大量に含むのは止めた方が無難だ。

日本では一般的ではないが、海外だと温泉に入浴するよりも飲泉が主体の温泉地も多い。

湯口に「この温泉は飲めません」と表示がある場合、循環している場合と飲泉許可を取っていないかのどちらかに該当する。湯口にコップが置いてあれば基本的に飲泉しても問題はない。

うーん うーん 熊谷温泉のレポートでお湯に浸かっていてかなり気持ちが良いときに発せられるフレーズの一つ。これが出るときは相当に気に入っていると思って間違いない。
塩化物泉 えんかぶつせん 食塩泉のこと。正しくはナトリウム塩化物温泉と言う。日本に多いしょっぱい味のする温泉。身体がよく暖まる。熊谷温泉が好きな泉質の一つだ。塩分濃度が濃いものは強食塩泉になる。
演歌物泉 えんかぶつせん 浴室内で演歌がガンガン流れている温泉のこと。結構ありそうに思われがちだが全国的には意外と少なく稀少レベルの温泉だ。
塩素臭 えんそしゅう 温泉ファンが忌み嫌う悪魔の化身ような言葉。口に出すだけで嫌になる。本来塩素には臭いがないらしいが、この場合いわゆる消毒臭のことをさす。レジオネラ騒ぎで大規模センター系や都市部の温泉銭湯では程度の差はあれ塩素臭が感知できることが多くなってきた。

塩素臭のする温泉ははっきり言って身体に悪いので、浴後はシャワーを浴びて流してしまうことをお勧めする。嫌な人がいたらこっそり影で「塩素臭のような奴」と呼んでみよう。

温泉力 おんせんりょく その人が持つ温泉に対する体力のことを言う。特に定義はないが1日に延べ何時間温泉に浸かれるかとか、何度までの温泉に入れるとかの大雑把な目安はある。

温泉巡りを頻繁に行うようになってくると、入浴時間数の増大化やより高温の温泉に入れるようになる。このことを指して「温泉力がついた」と表現する。逆の場合は「温泉力が落ちた」と言う。

温泉スタンド おんせんすたんど 源泉をガソリンスタンドのように量り売りしている施設。通常10リットル単位が多いようだ。同じ源泉を使用している入浴施設の温泉よりも源泉湧出地に近い上、無加工の温泉なのでよりピュアな温泉を味わうことができる。

温泉スタンドで汲んできた源泉を自宅のお風呂に投入して味わうと、病み付きになる。特に群馬・渋川温泉の「きらめきの湯」は素晴らしい。

温泉マニア おんせんまにあ 普通の人よりも温泉好きな人のことをさす。一般的に「温泉マニア」は人から「温泉マニア」と呼ばれることを極端に嫌う傾向にある。(笑)何故なら自分は「温泉マニア」ではないと思っているからだ。あんな奴らとは一緒にして欲しくないと心底思っているが、実は周りからは立派な一人前の「温泉マニア」と思われていることが多い。

下記の項目で一つでも該当するようであれば立派な「温泉マニア」だと自覚した方がいいかもしれない。

・温泉に行くときに必ずデジカメを持っていく(忘れると凄く落ちこむ)
・なにげに温度計を持ち歩いている
・こっそりリトマス試験紙を忍ばせている
・浴槽の写真を撮らないと気がすまない
・「湯元」とか「独自源泉」という言葉に弱い
・温泉の写真をつまみに酒が飲める
・仕事をサボって温泉に行ったことがある
・マイ桶を持っている
・温泉施設に分析表が掲示していないと苛つく
・アブラ臭がたまらなく好きだ

温泉ML おんせんめーりんぐりすと 1990年代中頃から2000年前半頃にかけて隆盛を極めた温泉に特化したメーリングリスト。個人の方がボランティアでサーバーを立ち上げて運用していた。かなり活発に温泉情報が飛び交い非常に有意義な存在であった。

私も参加していたが非常にレベルが高く、今でも全ての過去ログを保管している。ちょうど同時期に別の方が「みちのく温泉ML」を立ち上げており、東北は「みちのくML」、その他の地域は「温泉ML」という住み分けができていた。

今では考えられないが最初の頃は参加しているほとんどの人が勤め先から会社のアドレスで本名で投稿していた。そのため誰がどのような人か(職場まで)わかったので、ある意味安心して投稿することができた。

後年参加するメンバーが増えると同時にHNでの投稿が増え一体感がなくなっていった。アクティブに活動する人とROMする人の間で対立がおき、アクティブな人は投稿を控えるようになり、最後はROMする人ばかりになり鄙びMLとしてその使命を全うしたようだ。

温泉銭湯 おんせんせんとう 温泉が使われている銭湯。銭湯料金で温泉に入れる。青森や鹿児島のように銭湯といえば当たり前のように温泉が使われているような地域もある。

温泉銭湯は公衆浴場という性格から塩素消毒がきつく塩素臭プンプンのところが結構あり、当たりハズレが大きい。青森にある新屋温泉はその泉質が素晴らしく日本一の温泉銭湯と呼ばれている。

     
温泉・泉闘服 おんせんせんとうふく 温泉巡りをするにあたり湯巡り用に最適な服装をすること。単に泉闘服と言う場合もある。半そで、短パン、スリッパ履きが基本であるが、稀にノーパン作戦、マイ浴衣作戦を敢行される方もいるようだ。真冬でも泉闘服で湯めぐりをする大胆なひともいるらしい。

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