須川高原温泉


須川高原温泉 「須川高原温泉」 (宿泊)
源泉名 :須川温泉(霊泉の湯)(滝の湯)
泉質 :強酸性含硫化水素泉
泉温 :50.5度C pH 2.2 成分総計 3,140mg/kg   (Mg:41.3,Fe:25.9,Al:58.9,H2S:10.9)
:薄白濁 臭い :みょうばん臭+薄硫黄臭 :酸味      
 
念願だった須川高原温泉にようやく宿泊することができました。ここはなかなか予約が取りにくい、大人気の宿なのです。運よく一人泊で湯治部へ自炊で宿泊することができました。

<千人風呂>

須川温泉の有名な内湯です。かつては今の倍の大きさで混浴だったようですが現在は男女別になっています。「千人風呂」の浴室には浴槽が2つあります。大きな浴槽は30〜40人が入れる大きさのもので浴槽の奥の岩積みのところから豪快に源泉が注がれています。浴槽があまりに広いので正直身の置き所に困ってしまいます。(笑)
お湯は薄白濁気味のもので湯温は適温ややぬるめでとても入りやすいです。湯口付近で豪快に流れ落ちる源泉を眺めながら入るとナントモ心地が良いです。須川温泉特有のピリピリ感もあり入浴感はとてもいいです。露天のようなとろんとしたお湯の感じは無いですが、キリリと引き締まるとても良いお湯です。
浴室内にはもう一つ浴槽がありここは7〜8人が入れる広さで、お湯はとてもぬるく、浴槽もかなり浅めです。ここはひょっとすると寝湯なのかな?それにしても須川山のこんな高所にこれほどの湯量の温泉があること自体が信じがたい事実です。

<霊泉の湯>

今回須川高原温泉に宿泊したのは湯治部にある「霊泉の湯」に入るためです。ここのお湯は今まで入ったことが無く、これまで悔しい思いをしてきました。この浴室は宿泊者専用とばかり思っていましたが、日帰りで入った人もいるようですが実際はどうなのでしょうか。いずれにせよ思う存分お湯を味わってみたかったので宿泊して楽しむことにしました。「霊泉の湯」はお湯が熱めなので宿の人はあまり推奨していない気配があります。入館の際の案内の時も浴室の入り口にもさかんに”熱い”ということが強調してありました。
さて肝心のお風呂は内湯×1があります。12〜3人が入れる浴槽にドバドバと源泉が投入され掛け流しになっています。お湯に浸かった瞬間にピリリと身の引き締まるような感触のお湯でうおーっとうなってしまいます。須川のお湯は白濁というイメージが強いですが、ここは無色透明のため蔵王や草津に近い感じがします。
そして入浴感は抜群に良く入り心地はすこぶる良いです。深めの浴槽に中腰でお湯に浸かっているとお湯の成分がビシビシと身体中に染み込んでくるようです。いやあ、いいなあこの感触は。蔵王とは一味違う感じのお湯で蔵王のどこの浴槽よりも源泉投入量は多く鮮度はこちらの方がいいかもしれません。熱い熱いと警告されている割にはそれほど熱くはないです。蔵王の方が余程熱いのが多いように思います。ただお湯に浸かっていると湯温よりも熱く感じるのは事実で、長くは浸かり続けていることはできません。
何度も出たり入ったりを繰り返します。段々ヘロヘロになってきて腰を下ろしている御尻が痛くなってきてしまいました。一旦部屋に退却しまた同じことを繰り返します。うーん、堪りませんね。この浴槽は宿の脅しが効いたのか何時行ってもお客さんが少なくほとんど独占で入ることができました。入りにやってくるのは宿の従業員のような人たちばかりのような感じです。
ピュアな須川温泉を思い切り堪能する機会はそれほどないので、今回は死ぬ気で浸かるつもりで来ましたが(笑)、何度入っても入り飽きませんでした。やはり新鮮な温泉は(どの泉質でも言えますが)いいです!!
湯治部の部屋はなかなか綺麗で清潔です。共同の炊事場もありますが部屋にもコンロが一つと冷蔵庫と食器類があります。これは使い勝手がいいですね。こうとわかっていれば真面目に料理を作ればよかった(コンビに弁当ではなく)。そして一番驚いたのがビールやジュース類の価格にプレミアムがまったく付いていないことです。
普通に町で買う値段とまったく同じなのです。これにはびっくりです。良心的といえば良心的ですが他がぼったくり過ぎなのかもしれません。でも今晩はビールを飲まないと決めていましたのでじっと誘惑と戦いながら我慢しました。(笑)あまりに快適でしたので次回は連泊でもしてじっくりお湯に浸かってみたいと思いました。
何度もこの「霊泉の湯」に入っていると、入るたびに感じるこのピリピリ感が堪らなくなってきます。少しずつ身体の一部が溶けていくような気もしますが構うものか!身体が半分に溶けてしまってもこのスバラシイお湯を堪能せずにはいられません!(笑)これまで須川温泉のお湯はどちらかというと女性的な優しいお湯だという印象を持っていましたが、ホントは蔵王のような男性的なお湯で実は凄いじゃじゃ馬娘であることがわかりました。いや元々男性的な力強いお湯だったのに私が気がつかなかっただけかな?お湯に浸かりすぎて指の指紋や掌の手相がなくなってきたような感じです。おかげでペンが持ちにくくてメモを取るのが大変でした。(2007/08/21/The Deepest Midnight)

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